米陸軍が未来の兵器システムを構想中

2018.1.18


 military.comによれば、米陸軍参謀長は水曜日に、陸軍の未来の戦闘車両とヘリコプターは指揮官たちの必要を満たすために友人と無人の両方で役目を果たす必要があると言いました。

 合衆国陸軍地上戦協会の朝食会で話したマーク・ミレー大将(Gen. Mark Milley)は、まだ存在しないロボティクス、人工知能、その他の最新技術に依存する未来の陸軍のビジョンを具体化しました。

 彼は、1991年の湾岸戦争とより最近の紛争で軍が満喫した成功の大部分は、陸軍の「ビッグファイブ」、エイブラムス戦車、ブラッドレー戦闘車、アパッチ攻撃ヘリコプター、ブラックホーク・ヘリコプター、ペイトリオット防空ミサイルシステムを作り出した1970年代の指導者たちの集中した近代化のビジョンの結果だったと言いました。

 軍はいまや素早く旧式になり始めている主要な兵器システムを同様の近代化する挑戦に集中します、とミレー大将は言いました。

 「もし我々合衆国軍が変化の必要を認めないなら、もし我々がそれからその変化のために調整し、方向転換しないなら、私の考えでは、それは重大な戦略的間違いとなるでしょう」と彼は言いました。

 数ヶ月間にわたり、ミレー大将は彼の近代化戦略を促進してきました。それは長射程精密射撃、次世代戦闘車両、未来的垂直離陸、最新の指揮ネットワークと兵士の致死性を優先させます。

 「私は未来の戦場で敗北に終わる未来へ進む直線に興味はありません」とミレー大将は言い、既存の戦闘プラットフォームを付加的に改善することに依存することの誤りを説明しました。

 「我々は今すぐの現実世界には物理的に存在しない十倍の能力について議論していますが、それらは実現するでしょう」と彼は付け加えました。

 十年以上前、陸軍の指導者たちは、軍の未来戦闘システム(FCS)の努力において「躍進する」技術、広域のコミュニケーションと情報ネットワークにより互いに結びついた14種の軽量有人・無人システムから成る、複数年で数十億ドルの計画の必要性を宣言しました。

 しかし、FCSが依存する技術は単に存在しませんでした。

 陸軍はFCSに数十億ドルを費やし、当時の国防長官ロバート・ゲーツ(Robert Gates)が、最新の設計は現在の戦場を生き残るのに相応しくないとの批判の中で、FCSの一部の27トンの有人地上車両を破棄した時に、それが失敗したのを見ただけでした。

 FCSが終わったあと、陸軍当局は素早く地上戦闘車両(the Ground Combat Vehicle)、ブラッドレー戦闘車を遠い未来まで続く最新技術の戦闘車両と共に置換する活動に狙いを定めました。

 5年後、議会は予算執行差止手続きの下で義務的な予算削減に直面し、荷重で予算を超過した車両計画への資金提供の大半を削減しました。

 ミレー大将はFCSの失敗を認めますが、敵対者と歩調を揃えることを望むのなら、

 「ロボティクスはここにあります。それは現実です」と彼は言いました。

 「我々は有人と無人の車両について議論しています。すべての車両はロボティクスとなる能力があるでしょう」。

 10〜15年以内に、地上部隊は地上・航空作戦用にロボティクスを持つようになると、ミレー大将は言いました。

 「それで、地上の指揮官が任務、敵、地形、時間と使える兵士を評価でき、状況を見積もれるのなら、彼はこの攻撃が有人あるいは無人となるのを望むかについて決断ができます」と彼は言いました。「101高地をロボットで攻撃したいのか、有人の車両でそれをしたいか?」。

 人工知能は陸軍認めなければならない鍵となる未来技術のもう一つの例だと、ミレー大将は言いました。

 意思決定に関しては、「我々はネットワークの中で、人工知能を含めるために、情報技術の中で重大な進歩を活用している能力を望んでいます」とミレー大将は言いました。

 「私は人工知能が人間を置き換えるロボットと機械を意味するのかは分かりませんが、今日存在する量子コンピュータとIT技術の一部が、複雑に分散化された環境の中で素早い意思決定を助けられるのは分かっています。我々がネットワークのようなものにおいて、その進歩を活用しないのなら、他の者たちがそれに素早く移行するので、我々は馬鹿者となるでしょう」と彼は言いました。


 自衛隊にオスプレイの導入を決めて喜んでいる人たちは、この記事を理解できるのでしょうか?。

 米軍は常に軍事技術で先を行くことで、自分たちの優位性を保てることを知っています。そのために莫大な費用をかけて、新兵器を開発します。その力は他の国には及びません。

 日本はなまじアメリカの真似をするよりは、まず、自国の防衛だけを考え、そんために必要な兵器を、できるだけ安いものの中から選んで買い揃えるべきです。アメリカの真似をしても、とても追いつきません。

 日本に必要な兵器は、世界中で行動する米軍が使うものと同じでなくてもよいのです。

 未来戦闘システムは、コンピュータプログラムが巨大化し、パーツと成る兵器も開発が困難でした。

 コンセプト映像を見ると、それはまさにSF映画に登場するようなものでした。無人偵察機や兵士が集めたデータが指揮官の目の前の地図に次々と表示され、指揮官が素早く戦場を把握して、決断できるようなものでした。

 いま検討されているのは、それとは違いますが、現在の兵器の欠点をコンピュータ技術で補強しようというものです。今後数十年間は、兵器の開発の主眼はここに置かれるはずです。

 「米軍を真似すればよい」としか考えない日本の防衛政策では、こういうアメリカの動きにはついていけません。アメリカが兵器をロボット化するから、自衛隊にもという発想ではなく、それがほんとうに必要か、予算の裏付けはあるのかを検討すべきなのです。

 

 

 


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