米通信委員会が緊急警報の改善を計画

2018.1.15


 military.comによれば、連邦通信委員会(FCC)のアジト・パイ委員長(Ajit Pai)は国の無線緊急警報システムを大きく改良するための計画を発表しました。

 ハワイでの土曜日の携帯電話、テレビ局、ラジオ局への弾道ミサイル警報の誤報は、問題点を見出すことになっている当局者をワシントンに得ています。

 アジト・パイ委員長はツイッターを通じた調査計画を発表しました。

 「FCCはハワイの住民に送られた誤った緊急警報の完全な調査を開始しました」とパイ委員長は土曜日遅くにツィートしました。

 ブライアン・シャッツ上院議員(Sen. Brian Schatz 民主党・ハワイ州選出)は、多くのハワイ住民を約40分間パニックに陥れた誤りに対処するための決定を称賛しました。

 「このシステムは惨めにも失敗し、我々はやり直す必要があります」とシャッツ上院議員はツィートしました。

 地元当局と海軍太平洋司令部は素早く、警報は誤報であると認めましたが、システムは修正のメッセージをハワイ住民へ送るのに約40分間かかったと、「the Washington Examiner」は報じました。

 FCCは2012年以降、国内の無線緊急警報システムを管理していました。

 しかし、批評家は危機によって最も影響を受ける人達よりも広すぎる範囲に届けられたといった、いくつかの認められた欠点を指摘したと、ロイター通信は報じました。

 12月に、テキサス州のハリス郡(Harris County)の当局者はFFCのメンバーに、彼らがハリケーン・ハーベイによって最も影響を受けた人たちに警報を出した際に経験した問題について述べたと、「the New York Times」は報じました。

 10月に、カルフォルニア州選出の民主党員、カマラ・ハリス上院議員(Sens. Kamala Harris)とダイアン・ファインスタイン上院議員(Sens. Dianne Feinstein)はパイ委員長宛に、カルフォルニア州北部にわたる野火が荒れ狂ったとき、効率の悪い位置選定は一部の住民に警報を受け取らせなかった、と書いたと「the Times」は報じました。

 「これらの緊急サービスは差し迫った危険にある個人を困難に陥らせ、大規模なパニックを招く危険があります」と上院議員たちは書きました。

 ちょうど先週、パイ委員長はサービス・プロバイダに「10分の1マイルを越えることなく、警報を送る当局者によって特定される地理的な地域に合わせて、これらの警報を届ける」よう提案しました。

 FFCは今月、特定の状況によって最も影響を受ける人達をよりよく選定するように、緊急警報システムを改良するための計画について採決を計画します。

 そのような提案されたシステムの下では、アメリカ人はモバイル危機上で彼らが受け取る警報により真剣になるでしょう、とパイ委員長は言いました。


 ここでいわれている問題は、肝心のときに必要とする人に必要な警報が届かないということです。

 しかし、ハワイで起きたのは、間違ってボタンを押したことで、誤報が流れたということであって、予定される改善はハワイの事件に直接対処するものではありません。

 その点で、この記事は誤解を生む余地があります。

 もっとも、日本でも北朝鮮の弾道ミサイル発射時に、Jアラートがあまりにも広範に警報を出したことが問題視されました。アメリカと似たような指摘が出されていることになります。相似性を感じさせる話です。

 警報は常にうまく行かないものです。第2次世界大戦でも、ドイツ軍が何度も警報を出すと、次第に兵士は真剣に受け取らなくなったといわれます。

 「警報」は常に疑ってかかる必要があります。まともに受け取るとパニックになることもあります。しかし、日本政府は警報について自信満々で、こうした議論は日本では成立しそうにありません。

 日本人の多くも、内心はJアラートに一々反応しても仕方がないと考えていると思われます。しかし、本当の危機が来たときには、警報を利用した方がよい場合もあるのです。ここに警報の難しさがあります。

 

 

 


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