イージス艦衝突事故の続報(2)

2017.6.27


 dailymail.co.ukも日本で起きたイージス艦の衝突事故について続報を伝えています。これまで紹介した記事と重複する部分を避けて紹介します。

 当局者は衝突がフィッツジェラルド(Fitzgerald)の通信網の中心近くに当たったために、乗員は船上と陸上の両方と通信するために衛星電話に頼らなければならならず、衝突から日本海上保安庁への最初の報告の間に1時間の遅れがあるようにみえることを潜在的に説明すると付け加えました。

 今週早く、防衛専門家は貨物船がフィッツジェラルドに衝突したとき、誰も艦橋にいなかったと主張しました。

 「私は、データから、ACXクリスタル(ACX Crystal)が全時間、自動操縦で運行していて、誰も艦橋にいなかったと推測します。誰かが環境にいたのなら、自動操縦をオフにする方法を知らなかったのです」とITセキュリィのコンサルタントで、「Janes Intelligence Review」の船舶追跡アナリストのステファン・アトキンズ(Steffan Watkins)はDailyMail.comに言いました。

 アトキンズは、ACXクリスタルが行ったチャート上で観察される突然の不可解なUターンは、艦橋で人間がコントトロールを再確立したあとで、何が起きたのかを見るために行われたといいます。

 日本当局者はDailyMail.comに、彼らがフィリピン人だけが配置されたクリスタルから午前2時30分に救難要請を受け取ったことを認めました。しかし、所有者の東京に拠点を置く「NYK Line」は、衝突は午前1時30分に起きたとDailyMail.comに言いました。

 ACXクリスタルのような商船輸送は、海事ウェブサイトのマップを通じてリアルタイムで追跡できます。

 ステファン・アトキンズはDailyMail.comに、Uターンは何が衝突したかを知るために行われただろうと言いました。

 海上でのクリスタルの航跡データを辿ったあとで、ワトキンズは貨物船がその時に無人で操縦していた船がフィッツジェラルドに誤って不意打ちを食わしたと結論しました。

 午前1時30分と推定されるフィッツジェラルドとの衝突のあと15分間の追跡データによれば、船はコースを直し、速度を上げ、衝突したコースを変えるために再調整しました。

 「これは、私にとって、コンピュータが操縦していた証拠です。米海軍駆逐艦との衝突を逃げ、これほど完全にコースを戻る艦長はいません」とワトキンズは言いました。

 クリスタルをチャーターした「NYK Line」は、 オフィスが彼らから何かに当たったという連絡を受け取ったことをDailyMail.comに認めました。

 それは商船が日本海上保安庁に知らせた一時間後ではありませんでした。

 「全てのデータと彼ら自身の情報(彼らがどんなセンサーやトランスポンダーを持っているかは関知しませんが)をさらに評価した後、私は米海軍はいまでは衝突が午前1時30分だったと知っているものの、時刻が違うと説明するには難しい立場にいると確信します。

 「午前2時25分まで連絡しないのは、彼らが午前2時25分まで衝突したと思わなかったと考えない限り、信じられないことです。

 「30,000トンの艦船が別の艦船に衝突し、徹底的に破壊し、日本海上保安庁に連絡し、衝突を報告するのに1時間待つと考えるのは受け入れがたいことです。今のところ、十分に装備された艦船がお互いを避けることができなかったことを示すものはありません」。

 2006年から2008年にフィッツジェラルドの分隊長だったスコット・チェイニー・ピータース(Scott Cheney-Peters)は、事故は人為ミスだと示唆しました。

 「片方や両方の船の艦橋チームが衝突を避けるためにあらゆることをしていても、悪いことになりえることがたくさんあります。これが背景を理解を助けるための唯一のことなので、この事件の正確な環境を推測するには早すぎます」と彼は「Mailonline」に言いました。

 「思い出すべき最初のことは物理学です。船は大きさにより莫大な運動量をもたらしえます」。

 海上で2隻の船が互いに接近するたびに、それらはどう難しいダンスをするかを決めた交通規則に頼ります」。

 しかし、それらは共有した状況の理解にもとづいて正しく手順を踏むのを確実にすることは、それは夜には、そして通信に失敗すると、さらに難しくなりえます」。米海軍と日本当局、「NYK」は進行中の調査についてや、なぜフィッツジェラルドがクリスタルが来るのを見なかったか、またその逆についてもコメントを辞退しました。


 記事は一部を省略して紹介しました。

 通信装置が壊れたので、フィッツジェラルドは事故を通報できなかったという事実は目新しいのですが、別の記事では海上保安庁はクリスタルからの連絡を受けてフィッツジェラルドと連絡をとっているので、この意見は受け入れがたいといえます。ただし、艦内で連絡が困難だった可能性はありえます。しかし、無電池電話を搭載していれば、それもなかったはずで、言い訳がましく聞こえてしまいます。これは米軍筋から出た話でしょう。

 クリスタルが海上保安庁に連絡する前に、会社に連絡していたことも目新しい事実です。貨物船の船首には人がいないので、衝突を確信するまでに時間がかかった可能性は大いにあります。

 このように、日本国内での事故なのに、海外の報道のほうが詳しいのです。福島第一原発事故のときと同じですね。日本のメディアは、日米地位協定の存在に気がついた時点で、追求を放棄しているようにみえます。

 

 

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.