空母打撃群に弾道ミサイル対処能力なし

2017.4.27


 military.comによれば、カール・ビンソン空母打撃群(Carl Vinson)が数日内で朝鮮半島に接近する時、米太平洋司令部は北朝鮮から来る弾道ミサイルについて述べました。

 「もしそれが飛ぶならば、それは死にます」とハリー・ハリス提督(Adm. Harry Harris)は水曜日に下院軍事委員会で、カール・ビンソンと護衛する艦、誘導ミサイル駆逐艦ウェイン・E・マイヤー(Wayne E. Meyer)とマイケル・マーフィー(Michael Murphy)、誘導ミサイル巡洋艦レイク・シャンプレイン(Lake Champlain)は北朝鮮のミサイル攻撃を払いのける能力がないというブルームバーグ(Bloomberg)を含むメディアからの最近の報道に対処しました。

 高まる緊張とアメリカが力を誇示する中、北朝鮮はカール・ビンソンを沈め、海の残骸と化すと脅し、国営の宣伝チャンネルを通じて、メッセージを拡散しました。

 ブルームバーグは、ウェイン・E・マイヤーとマイケル・マーフィーは、長距離ミサイルを追跡するように設計されたイージス監視システムや、中・長距離ミサイルを狙い、破壊できるSM-3迎撃ミサイルを持っていないと報じました。

 打撃群の護衛がトマホークミサイルと対艦巡航ミサイルを持ち、空母がレーダーを妨害し、空爆を行う能力を持つ航空機を持つだけで、弾道ミサイル攻撃に脆弱なままだと、メディアは報じました。

 「私はその記事や類似する記事はどちらも紛らわしく、それらはリンゴとオレンジを融合するようなものだと考えます」とハリスは言いました。

 「我々は日本海に弾道ミサイル攻撃に対して防御する能力がある弾道ミサイル艦を持っています」。ハリス提督はこの地域のどの船がこの能力を備えるかを言いませんでした。

 最近太平洋に配置された駆逐艦スタレット(Sterrett)とデューイ(Dewey)もやはり、マイヤーとマーフィーと同じく、まだイージス弾道ミサイル防衛システムを装備していません。

 しかし、日本の母港には駆逐艦5隻があり、現在、それらはその能力を装備しています。

 さらに、ハリス提督は、北朝鮮は対艦弾道ミサイルをカール・ビンソンや打撃群の艦船を脅かせる配置で持っていませんと言いました。

 「北朝鮮がカール・ビンソン打撃群に向ける武器は打撃群固有の能力により簡単に防がれます」と彼は言いました。

 「もしそれが(群に対して)飛ぶならば、それは死にます。だから、私は自身を守るだけでなく、それが大統領と国防長官から我々が受ける要請であるならば、戦力を投射する打撃群の能力に自信があります」。


 海外のメディアの凄いところですね。すぐに派遣された艦船の能力を調べて、弾道ミサイルを打ち込まれたらおしまいだと報じてしまったようです。こういう記事は日本では見ません。

 ウェイン・E・マイヤー、マイケル・マーフィー、レイク・シャンプレインは対航空機用のSM-2しか持っていません。

 それに対する米海軍の見解は、北朝鮮は空母打撃群を捕捉する能力がなく、従って、攻撃ができないということです。これもまた正しい話です。気になるのは対馬付近を航行するときですが、これは対馬の南側を通って、位置を隠すのでしょうね。

 通常の爆薬では、船に命中させることはできません。核爆弾なら少々はずれても効果があるでしょう。しかし、位置がはっきりと分からない目標に対して弾道ミサイルを発射すれば、世界中から笑われることになります。それが命中する可能性などないのですから。

 追記 カール・ビンソン空母打撃群は現在、沖縄の東、フィリピン海にいるようです。沖縄の西を抜けると思いましたが、このまま日本海に入らない可能性もありそうです。

 


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