弾道ミサイル対策で先進するアメリカ
                                  
                                   spacewar.comがレーザー兵器の開発について報じました。弾道ミサイルに関連する部分があったので、前半を除いて紹介します。 
                                  ミサイル防衛 
                                   「the Center for Strategic and Budgetary Assessments」の上級研究員、マーク・ガンジンガー(Mark Gunzinger)は比較的小さな出力が急速に増加するとみます。 
                                   数年以内に、彼は150キロワット以上のずっと強力な試作品を予測します。 
                                   そうしたレーザーはミサイルを最も脆弱な横からノックアウトできるかも知れません。 
                                   彼は特殊作戦部隊がそうしたシステムを2020年までに、兵士のために地上支援をすることに特化したAC-130ガンシップでテストすることを望んでいると言いました。 
                                   そして、6〜8年以内に、米軍は300キロワット以上のレーザーシステムを使い始めるかもないと、彼は付け加えました。 
                                   その力の程度は正面から向かってくるミサイルをノックアウトすることができるかも知れません。 
                                   最終的に現実はますますフィクションに追いつくでしょう。 
                                   米軍は非常に高い高度を飛ぶドローンにレーザーを取り付け、弾道ミサイルを発射直後に撃墜する能力を持たせる可能性を考察もしています。 
                                   軍隊のためのレーザーからのもう一つのボーナスは、見たところ、尽きることなく、安価なファイヤーパワーの見込みです。 
                                   砲弾を必要とする従来の大砲とは異なり、レーザー砲は生成できる電気の量だけに制限されます。 
                                   ガンジンガーは、特に軍用機に見込まれるレーザーは、敵対者のミサイルから防衛するために、潜在的に制限のない火力の入れ物を持てるものと考えます。 
                                   「航空機はさらに兵器を搭載するために基地に戻る必要はありません。燃料補給して、ほとんど無制限の弾倉と共に活動を続けられます」と彼は言いました。 
                                  物理的な誓約 
                                   しかし、レーザー技術が戦闘機に統合できる前に、それは大きさにおいてまず縮小される必要があります。 
                                   現在、エンジニアはどれくらいの運搬できる火力が生成できるかと冷却方法の技術という物理的な制限にぶつかっています。 
                                   ロッキード・マーティン社はトラックに搭載するレーザーのパワーを増やすことを望みます。 
                                   「このような車両には、若干のエンジニアリングの制限があります」と同社のジム・マードック(Jim Murdoch)は言いました。 
                                   「我々はスペースを使い果たすでしょう。それが我々が働く挑戦というものです」。 
                                   しかし、工業界の代表と軍当局者は、レーザーを広範な活動上の使用を得るものから停める唯一のものがあるといいます。それは政府の資金提供です。 
                                   議会は用心深いのです。 
                                   議員たちは恐らく敵のミサイルを撃墜する能力があるレーザー銃を運搬するためにボーイング747を改造する50億ドル以上かかる長期の計画を思い出します。 
                                   計画は操作上で実現できないとの懸念で2012年に破棄されました。 
                                   そのテクノロジーで使われるレーザービームは化学薬品によって精製され、ミサイルを落とすには十分に強力ではありませんでした。                                   
                                   
                                   THAADシステムを導入すると騒いでいる日本政府が聞いたら、沈黙しそうな話です。 
                                   レーザーで弾道サミルを撃墜するシステムはすでに挫折したと思っていました。記事に書いてあるとおり、ボーイング747を使った、開発に金ばかりかかったエアボーン・レーザー計画は中止されました。正確には計画は残されたものの、実質的に休止しています。 
                                   このシステムでは、レーザー光線を化学薬品によって生成します。反応炉の中で生まれた光は鏡を使って先端の砲から発射される仕組みでした。有害な化学物質を搭載しているため、この航空機が墜落したら化学剤による汚染が心配でした。化学剤を使い切ったら帰投しなければなりません。 
                                   しかし、電気でレーザーを作れれば、話は変わります。これは私の予想外でした。航空機のエンジンは発電機でもあります。記事にあるように、航空機は飛びながら燃料補給を受けられます。つまり、ほぼ無尽蔵のエネルギーがエンジンによって作れるのです。 
                                   エアボーン・レーザーは敵地の近くまで行っても、射程が短くてすべての敵領域を網羅できない問題がありました。ボーイング747はどうやってもレーダーに映ってしまい、攻撃されるという欠点がありました。これをステルス型の無人機に搭載できるなら、敵地上空に滞在し、ミサイルを攻撃できます。 
                                   この記事には弾頭にあてて破壊できるとは書いていませんが、再突入後の弾頭に向けて撃てるのなら、こちらの領域内でも迎撃できることに也、防衛上極めて有利ということになります。領域内で使うためにはステルス機能も不要ですし、中型の輸送機に搭載すればかなり強力なものになりそうです。これの地上配備型なら、常時、弾道ミサイルを迎撃できることになります。第一撃は地上配備型で叩き、直ちに航空機を発進させて、もっと遠い位置で撃墜するという戦術が考えられます。 
                                   砲弾を撃ち落とすなど、レーザー兵器の導入は増えていますが、このシステムは電気式のレーザーで、航空機に搭載できるようにするというのがミソです。 
                                   もっとこのシステムの詳細を知りたいと思いました。このシステムが実現可能なら迎撃ミサイルだけに頼る日本のミサイル防衛は一新できます。金正恩が聞いたら青ざめるかも知れません。 
                                   THAADシステムの導入を決めた自民党は、このシステムのことを知っているのでしょうか?。防衛省は研究しているのでしょうか?。 
                                   日本の防衛にはこういう努力が不足しています。技術開発にかけている費用が少なすぎるのです。兵器の開発にはとんでもない金がかかるものですが、本当に必要なことには金を投じるべきです。 
                                    
                                  
								  
								    
								      
								   
								  
									
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