イラク軍が州政府ビルを奪還

2017.3.8


 alarabiya.netによれば、イラク精鋭部隊は火曜日、モスル(Mosul)の主要な政府ビルからイスラム国民兵を追い出したと、イラク人報道官はいいました。

 即応部隊チームは夜間作戦でニナーワー政府ビルと周辺の政府施設を襲撃したと、内務省精鋭部隊の報道官、アブドル・アミル・アル・モハマダウィ中佐(Lieutenant Colonel Abdel Amir al-Mohammadawi)はいいました。

 「彼らはダーイシュ10人を殺しました」と彼はいいました。

 施設の奪還は、建物が破壊され、イスラム国が使っていないとしても、イラク軍が旧市街中心部の民兵を攻撃するのを助けます。

 火曜日にはまた、イラク治安部隊がモスル博物館を奪還しました。そこはイスラム国民兵が芸術品を粉々に砕くのを撮影しました。

 イラク軍は考古学博物館を奪還したと、リード・シャキル・ジャウダット中将(Lieutenant General Raed Shakir Jawdat)は、これがいつ起きたかを特定せずに言いました。


 ニナーワー州政府ビルの奪還は、すでに国内報道で報じられていますが、政府ビル(kmzファイルはこちら)の位置が分かったので書いておきます。

 bellingcat.comというサイトにモスルの主要な施設の過去と現在の写真が掲載されています。

写真は右クリックで拡大できます。

 州政府ビルは、まさに旧市街地の南端、道路の向こう側に位置します。写真では建物が見えますが、現在は破壊されて、廃墟になっています。

 すぐ近くのアル・フリーヤ橋(Al-Hurriyah Bridge)も、現在は一部が破壊されて、通行不能になっていることが、bellingcat.comの記事から分かります。この橋は南から二番目に位置します。旧市街地に近いので、直ちに使うことはできないでしょう。イスラム国が容易に照準できるので、まず、川岸から彼らを追い出す必要があります。

 一番南の、より大きな端はイスラム国の照準外にありそうですから、すでに部隊の移動に使えそうです。この形になると、イラク軍の優勢はさらに高まり、次第に加速していくでしょう。

 さらに、殺したイスラム国民米が10人程度で、旧市街地側から大して反撃がなかったらしいことも、すでにイスラム国が組織的な抵抗ができない証拠と思われます。

 

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.