米将官がイスラム国の減少を指摘

2017.3.3


 alarabiya.netによれば、イラクとシリアに12,000〜15,000人のイスラム国民兵がいて、民兵の部隊は大きく減少したままであると、米軍将官が水曜日にいいました。

 米軍はイスラム国戦闘員に関する定期的な更新を提供するだけですが、2015年と2016年に、米国防総省は二カ国で20,000〜30,000人の間の数字としました。

 当初、少なくとも彼らは現在は効果的に封鎖されているトルコとの穴だらけの国境を通じて部隊を補充できましたが、数ヶ月間で、民兵は数千人が殺されました。

 スティーブン・タウンゼンド陸軍中将(Army Lieutenant General Stephen Townsend)は記者に、ここ数ヶ月で殺された多数の戦闘員には、捕まえにくいアブ・バクル・アル・バグダッディ(Abu Bakr al-Baghdadi)を含めたイスラム国指導者の並外れた人数があるといいました。

 「我々は彼らを狩り、殺すための固有の作戦を持っています」とタウンゼンド中将はバグダッドからのテレビ電話でいいました。

 「アブ・バクル・アル・バグダッディの側近のほとんどすべては過去半年間で殺されました」。

 しかし、彼は約2,000人のイスラム国戦闘員がモスル市内と周辺に残り、元イラクの要塞の最後の部分を守っているといいました。

 モスル作戦が10月に始まった時、当局はイスラム国民兵が市内と周辺に3,000〜5,000人いると見積もりました。

 それらの民兵の一部はタル・アファル地域(Tal Afar)へ西へ逃げ、治安部隊は民間人の中に混じろうとする者たちを捕まえたと、タウンゼンド中将はいいました。

 「我々は一種の継続的な作戦で彼らを追いかけることに集中しています」と彼は付け加えました。

 タウンゼンド中将はいつイスラム国の敗北が来るかについて予測することに警告しました。「私は(イスラム国が)士気の崩壊により突然崩壊するとは思いません」「崩壊して逃げるであろう一部分があります。それらの残りは命令された通りに戦うか、死ぬまで戦うでしょう」。


 推定値ではあるものの、いまやイスラム国は完全に追い詰められているといえます。

 長い戦いでしたが、シリアのコバネという小さな街の戦いを支援するところから、この戦いは始まりました。女性のクルド人部隊が守る街をイスラム国は攻め立てていました。そこへ米軍などが空爆を行うことで進撃を止め、遂には占領を諦めさせたのです。当初、メディアは空爆の成功に冷笑的でしたが、私は成功すると思っていました。

 シリアへの介入に及び腰の国際世論を説得するために、最初に小さな作戦を成功させる必要もありました。空爆はただでさえ開始が遅れ、シリア政府の非人道的な行為を止められずにいた のです。

 地上軍は現地部隊の訓練や武器の提供に限定し、オバマ政権はかなり制約の多い活動を米軍に承認しました。特に、最前線に近い場所で空爆を誘導する隊員からは、もっと前に出してもらえれば、より効果的な空爆を行えるとの要望もありましたが、オバマ大統領は許可しませんでした。地上部隊の戦闘も同様です。大勢を最前線に置くと、誰かがやり過ぎで新聞ネタになるような事件を起こすのが常でした。そういう汚点は長期にわたる対テロ戦の足かせになりかねないと、オバマ大統領は考えていたのでしょう。これは米軍の死傷率を大きく減らすという効果も生みました。このことは、なぜかメディア上でもあまり評価されません。私はオバマ大統領は、小うるさい指示は出したものの、米軍にとってよい効果を生んだと思っています。

 イスラム国の戦略は最初から軍事常識を無視していました。必要な兵力もないのに、シリアとイラクに広大な領地を得て、通貨まで造りました。こういう場合、薄く広がった先端部分は、各地での反撃に遭って切り取られるものです。シリアは内戦の最中、イラク軍は低い戦力のままで、こうした状態が続いたものの、米軍など先進国が支援に入り、特にイラク軍の躍進が著しく、失った領域は元に戻りつつあります。

 こういう経緯をメディアが正しく伝えているかは疑問です。イスラム国が垂れ流す恐怖の処刑映像を報じて、彼らの戦略の一翼を担ってしまった点は反省すべきです。映像を報じるのは事実の報道であるので仕方がないとしても、イスラム国が宣伝による心理戦を行っている点を指摘して、実際の戦略が不合理であることを指摘して、恐れるべきでないと言い続けて欲しかったと思っています。

 

 

 


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