ラッカ侵攻作戦に関する記事2件

2017.2.5


 シリア民主軍のラッカ作戦に関する記事を二つ紹介します。作戦は新しい段階へ入っています。

 alarabiya.netによれば、アメリカが支援する民兵の同盟は土曜日、イスラム国が支配するラッカ(Raqqa)に対して、包囲を完成させることとデリゾール州(Deir al-Zor)の民兵の拠点へつながる道路を遮断することを狙い、新しい段階を開始したといいました。

 シリア民主軍(SDF)は声明の中で、行動は我が軍の前進への保証された航空援護や彼らの特殊チームが現場の我が軍へ提供する支援を通じて、(米主導の)国際的な同盟軍からの増加する支援と共に開始されたといいました。

 強力なクルド人のYPG民兵を含めたシリア民主軍は、11月にラッカを包囲して、最終的に占領することを狙った多段階の作戦を開始しました。

 シリア民主軍指揮官はロイター通信に、軍隊は最新の段階でこれまでに数キロメートル前進し、それはデリゾール州へつながる幹線道路を含めた街の東部地域を占領することを狙っているといいました。

 大半がイスラム国の手中にあるデリゾールは、イラク国境へ伸びています。火曜日、クルド軍筋はロイター通信に、この段階の目標は幹線道路の占領を含むといいました。

 米特殊部隊兵士数百人はシリア北部でイスラム国に対するシリア民主軍の作戦を支援しています。フランスは6月、自国特殊部隊が同じ地域で反政府派の顧問を務めているといいました。

 alarabiya.netによれば、アメリカが支援するクルド人とアラブ人の戦闘員は土曜日、イスラム国の拠点ラッカに対する作戦の新段階を開始したと発表しましたが、彼らは勝つためにはさらに武器を必要としているといいました。シリア民主軍は11月に街を占領する作戦を開始し、ユーフラテス峡谷をさらにのぼるいくつかの土地を手に入れましたがまだいくらか離れています。

 シリア民主軍はラッカ解放の第3段階を開始し、それは州の東部を狙うと、報道官のジハン・シーク・オミッド(Jihan Sheikh Ahmed)はいいました。街の北部にあるアーリヤ村(Aaliyah)で述べたオミッドは米主導の同盟国による訓練の後、750人の戦闘員がシリア民主軍に参加したといいました。同盟国はシリアとイラクで2014年以降にイスラム国に対する空爆を行っています。

 ワシントンはシリア民主軍の作戦を支援するために約500人(爆発物除去専門家、教官、特殊作戦要員)の兵士を派遣しました。ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)が就任すると、はじめてワシントンはシリア民主軍に装甲SUVも提供したと、米国防総省と同盟国当局者は先週いいました。

 「同盟国はアラブ人部隊に車両を提供しましたが、数は非常に少なく、我々は彼らが近いうちに増やすことを望んでいます」とシリア民出軍報道官、タラル・セロ(Talal Sello)は土曜日にいいました。地元のシリア民主軍指揮官、ロジダ・フェラット(Rojda Felat)は、要請した追加の装備は素早く満足に届かなかったといいました。「我々がラッカを解放するのに必要な武器は、戦車、DShK38重機関銃、装甲車です」と38歳のフェラットはいました。

 「我々が必要な兵器の到着が遅れていますが、支援は次の段階で増えるでしょう」と彼女はいいました。フェラットはいつシリア民主軍がラッカ郊外へ到着するかのタイムラインは提示しませんでしたが、「この段階で、我々はより近づきます」といいました。


 トランプ政権がオバマ政権がしなかった車両の提供をはじめたとは聞いていましたが、SUVに装甲をして、少数のみを提供したという点では、トランプ政権らしくない話に思えます。思い切ってハンヴィーを提供することはしなかったようです。

 トルコからラッカへの補給線はすでに切れているでしょうから、デリゾール州との補給線が切れれば、ラッカは完全に孤立します。それを済ませてから市内へ突入することになるのでしょう。

 戦車、DShK38重機関銃、装甲車はアメリカは提供しないでしょうから、アラブ諸国から提供されることになるかも知れません。

 ラッカには日本人2人の遺体がどこかにあるはずです。日本政府として作戦の推移に関心を持つべきですが、外務省は遺体の返還は望まないとすでに結論しています。こういう外務省の神経は未だに理解できません。

 春くらいまでには、ラッカを解放して欲しいものです。

 


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