米本土防衛にはTHAADを採用へ

2017.12.6


 military.comによれば、下軍事委員会のメンバー2人によると、米国防総省は北朝鮮から増加する脅威を警戒するために、西海岸にTHAAD対ミサイルシステムを配置するための潜在的な場所を検討しています。

 週末に行われたカルフォルニア州のレーガン国防フォーラム(the Reagan National Defense Forum)で、アラバマ州選出、共和党のマイク・ロジャース下院議員(Reps. Mike Rogers)とワシントン州選出、民主党のアダム・スミス下院議員はロイター通信に、国防総省のミサイル防衛局は陸軍の終末段階高高度地域防衛システムを配置するために西海岸の場所を調査していると言いました。

 今年はじめ、中国とロシアの懸念にも関わらず、ロッキード・マーティン社のTHAADランチャーが韓国のソウルの南で活動を開始しました。

 ミサイル防衛局は西海岸にTHAADを設置する命令を受けていないと同局の副局長ジョン・ヒル海軍少将(Rear Adm. Jon Hill)は言いましたが、戦略軍小委員会議長のロジャースは「それは場所と、その場所の場所と環境への影響がそれらの必要条件に合致することに関して勧告するミサイル防衛局の問題であるだけです」と言いました。

 ロジャースとスミス両方は西海岸へのTHAAD配置のための場所の数はまだ決まっていないと言いました。

 現在、海軍艦に配置されたイージス・システムとアラスカ州とカルフォルニア州の地上配備のミッドコース防衛システム(GMD)で主に守られています。

 レーガン国家防衛フォーラムではまた、ホワイトハウスの国家安全保障顧問のH・R・マクマスター陸軍中将(Lt. Gen. H.R. McMaster)は、北朝鮮との戦争の迫りくる脅威を警告しましたが、2月9日に韓国ではじまる冬季五輪へアメリカ人が旅行するのは安全だろうと付け加えました。

 「私はそれが毎日増加していると思います」「それは我々がレースの中にいること、我々がこの問題を解決できるレースの中にいることを意味します」と、マクマスター中将は紛争の潜在性を述べました。

 しかし、マクマスター中将は、ジム・マティス国防長官(Defense Secretary Jim Mattis)を含むトランプ政権の国家安全保障チームの重点は北朝鮮の繰り返される核爆弾、ミサイル実験がもたらした危機へ外交的解決にあると言いました。

 北朝鮮は今年15回のミサイル発射を行いました。

 先の火曜日、北朝鮮は国際宇宙ステーションよりも10倍以上高く飛んだ大陸間弾道ミサイル火星15号を発射しました。

 アナリストはそれがワシントン特別区を攻撃する射程があると見積もりました。

 「武装紛争に足りないこの問題に対処する方法はありますが、彼がより近 接近していて、時間は多く残されていないために、それはレースです」とマクマスターは金正恩に言及しました。

 ミサイル発射や核実験のすべてで、金正恩は彼の国の能力を向上させてきたと、マクマスターは言いました。

 しかし、増大する脅威は非武装地帯の南約50マイルの韓国、平昌での冬季五輪大会を危うくすべきではないと、彼は言いました。

 我々は非常によく準備した、能力がある軍隊を持ち、軍隊は毎日強くなっているから、アメリカ人の五輪大会への旅行は安全だと考えなければならないと、マクマスターは言いました。

 北朝鮮の脅威に関するマクマスターのコメントに続いて、上院軍事委員会のメンバー、リンゼイ・グラハム上院議員(Sen. Lindsey Graham y)はCBSの日曜日の番組「Face the Nation」に出演し、軍の扶養家族を韓国から撤退させるよう訴えました。

 「アメリカに届くだけでなく、兵器を運搬できるICBMの技術を核兵器と組み合わせることに向けて北朝鮮が前進したために、我々は軍事紛争に近づいています」とグラハム上院議員は言いました。

 「私は国防総省に扶養家族をさらに韓国へ送らないよう求めています」と彼は言いました。

 「韓国は同伴者のない海外勤務でなければなりません。北朝鮮の挑発を考えたら、配偶者と子供を韓国へ送るのはどうかしています」。

 グラハム議員は北朝鮮の発射を防ぐためにアメリカが最初に発射するかもしれないとも言いました。

 「トランプ政権の方針は、北朝鮮にアメリカを核爆弾を装備したミサイルで攻撃する能力を拒否することで、封じ込めることではありません」と彼は言いました。

 「拒否は最後の手段として、先制攻撃戦争を意味します」。

 「先制攻撃は彼らの技術の成熟のために、さらにありそうになっています」。

 「the 38 North」のウェブサイトによれば、先の火曜日に北朝鮮が発射した火星15号は北朝鮮が発射した過去のミサイル実験よりも、かなり大きいものでした。

 「初期の計算は新型ミサイルが米本土のあらゆる都市へ適切なサイズの核兵器を運べることを示します」とウェブサイトは言いました。

 「火星15号は、アメリカの現存する国家ミサイル防衛システムを挑戦するよう設計された簡素なデコイやその他の対抗策を運ぶに十分なほどに大型で強力でもあります」とウェブサイトは言いました。


 アメリカはイージス・アショアを選択しませんでした。

 普通に考えるとTHAADの方が日本本土防衛には適しています。ところが、 ミッドコースでの迎撃に適したイージス・アショアを採用することになりました。

 日本に落下してくるミサイルにはミッドコース用のイージス・アショアよりもTHAADが向いています。

 なぜ、イージス・アショアなのか?

 そして、なぜ秋田県と山口県に配備するのか?

 それはアメリカ領のハワイとグアムへ向かう弾道ミサイルを撃墜するのに最適だからです。

 迎撃ミサイルは真上の上空を通過するミサイルを撃墜する時に最大の命中率を期待できます。そこからずれるとそれだけ命中率は落ちるのです。秋田県と山口県は北朝鮮の各地からハワイとグアムへ向かう弾道ミサイルを迎撃するのに最善の位置にあるのです。

 日本本土を最も効率よく守るのなら、東京などの大都市へ向かう場所が向いています。それはおそらく新潟県周辺でしょう。

 下の図を見れば一目瞭然です。上が平壌とハワイ、グアムを結ぶ直線です。弾道ミサイルの軌道もほぼこれと同じです。

 同じく、東京に向かう軌道。秋田県や山口県では東京を最大効率で守れないことがわかります。

 つまり、イージス・アショアは集団的自衛権を行使して、第一にはアメリカに向かう弾道ミサイルを迎撃するための装備であって、日本人を最優先で守るための装備ではありません。日本人は二の次なのです。

 イージス・アショアの性能では、弾道ミサイルが日本を通過するときの高度に到達できないと思われますが、それは将来のミサイルの改良で何とかするという考えなのでしょう。

 こんな「忖度」しかできない自民党政権は「亡国の党」と呼ぶべきです。

 

 

 


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