トラック横転で伍長に禁固1年

2017.11.8


 military.comによれば、2015年に横転して海兵隊員1人を殺した7トントラックの運転手が、過失殺人でカルフォルニア州のキャンプ・ペンデルトン(the Camp Pendleton)で1年間の刑に服すると、軍裁判官は最近決定しました。

 ビン・グオ伍長(Cpl. Bin Guo)は10月30日に過失殺人1件と負傷を伴う無謀運転1件で有罪を認めたと、彼の弁護士、ネルソン・キャンデラリオ少佐(Maj. Nelson Candelario)は言いました。

 軍裁判官マシュー・ケント大佐(Col. Matthew Kent)は禁固4年半、2等兵への降格、不行跡除隊(bad-conduct discharge)の判決を言い渡しましたが、部分的な合意はグオの刑期を制限し、懲罰的な除隊から彼を守りました。

 Military.comは3月に、グオが2015年9月10日の横転の後、軍事裁判に直面しているとスクープしました。

 警察の報告によれば、当時、第一軽装甲偵察大隊にいたグオは、ペンデルトンのキャンプ・ホルノ(Camp Horno)から部隊の司令部があるキャンプ・ラス・フローレス(Camp Las Flores)へ、トラックの後部に海兵隊員18人を乗せての帰途についていました。

 弾薬補給所のキャンプ・ラス・プルガス(Camp Las Pulgas)を通過した直後、グオは早い速度でカーブして、車両の制御を失いました。

 トラックは道路を離れて横滑りして、電柱に激突しました。

 グオは意識不明になり、調査官に何が起きたのかを憶えていないと話しました。

 21歳のブライアン・ラウ伍長(Cpl. Brian Lauw)は現場で鈍器損傷で死亡しました。

 警察の報告によれば、その他の負傷は、脊椎骨折、頭部外傷、顔面裂傷、脳出血を含みます。

 報告は、グオが以前の移動で乗員たちからもっとゆっくりと運転するよう求められたことを示し、調査官は鋭いカーブを通る間に減速しなかったことを見出しました。

 しかし、調査は大型のオシュコシュ・トラック(Oshkosh)のブレーキがターンで故障した可能性の結論を出していませんでした。

 当初、グオは無罪を主張し、恐ろしい衝突の前に不注意に振る舞わなかったと主張しました。

 しかし、キャンデラリオ少佐は裁判弁護士との合意は、有罪を認めるという最終的な決定に終わったと言いました。

 ラウ伍長の家族、横転で負傷した海兵隊員を含めた約20人の証人が処罰の間に証言したと、キャンデラリオ少佐は言いました。

 グオの両親、彼の妻と精神科医も証言しました。

 グオも声明を出したと、彼は言いました。その中で、彼は法廷の海兵隊員とラウ伍長の家族に謝罪しました。

 「彼は彼がオペレーターで、これは故意ではなく、そこにいた海兵隊員に責任があったと言いました」とキャンデラリオ少佐は言いました。

 「彼は海兵隊員が死んだ事実と、それは彼が生涯耐えなければならないことだと(言いました)」。

 公判前に監禁されなかったグオは、裁判に引き続いて拘引されたとキャンデラリオ少佐は言いました。

 「このすべての状況は信じがたい悲劇でした」と彼は言いました。


 禁固4年半を避けるため、弁護士がグオ伍長に有罪を認めるよう説得したのでしょう。その結果、刑期が1年に減らされたのです。2等兵への降格、不行跡除隊は避けられないことですが、刑期が短いことは、彼が人生をやり直すのに役立ちます。

 相変わらず厳しいですね。

 自衛隊だと、まずは道路交通法により処罰があり、さらに自衛隊の「懲戒処分等の基準に関する達」による処分があります。しかし、ここまで厳しくはないはずです。

 刑法の自動車運転過失致死傷罪は「7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金」ですが、実刑になるのは3割程度です。この事故がどういう処分になるかは分かりませんが、自衛官が出勤途中で自分の車で信号を無視して交差点で死亡事故を起こした事故で懲役4年半でした。

 この事故の場合、自衛隊では上から二番目に重い「重大な場合」に該当すると考えられ、この場合の処分は「15日以下の停職」です。降格や除隊は聞いたことがないので、なさそう。

 米軍の方が少し厳しい処罰なのかなと思います。

 日本でも憲法を改正して軍事裁判をという声がありますが、それは処罰が現在よりも厳しくなることを意味する可能性があることは議論されませんね。

 

 


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