アメリカで沖縄の交通事故はどう報じられたか?

2017.11.20


 military.comによれば、沖縄で海兵隊員が車に衝突して、61歳の日本人を殺してから一日も経たないうちに、在日米軍はこの地域のすべての兵士に現地の自由を中断し、通知があるまでアルコールの摂取を禁止していると発表しました。

 命を奪う事故が現地時間午前5時30分頃に沖縄の那覇市で起こりました。

 AP通信の報道によると、トラックを運転する海兵隊員が交差点でより小さなトラックに衝突し、日本人運転手を殺しました。

 AP通信は軽症ですんだ海兵隊員は事故時に血中アルコールレベルが法的制限の3倍でした。

 軍当局は隊員の身元を明かしたり、公に海兵隊員として個人を特定しませんでした。

 第3海兵遠征軍指揮官のローレンス・ニコルソン中将(Lt. Gen. Lawrence Nicholson)は、海兵隊当局が未だに事実を収集していて、事故を調査するために日本当局とともに活動しているとの声明を発表しました。

 「私はこの事故の結果として亡くなった沖縄の男性の家族と友人へ心からの遺憾と誠実な哀悼を伝えたいと思います」とニコルソン中将は言いました。「……私は自己の原因を特定するために徹底的に活動し、これが再び起きないようにするために、あらゆる可能性がある手順を踏むと約束します」。

 一方、沖縄の兵士の基地外での特権はさらに通知があるまで中止されました。

 「海兵隊員、陸軍兵士、海軍隊員、空軍隊員は直ちに営舎に戻り、アルコール摂取を止めなければなりません。

 アルコール摂取とアルコール販売はさらに通知があるまで米軍すべてで中止します」と、日曜日に司令部の公式フェイスブックに投稿された第3海兵遠征軍の発表は読めました。

 「基地外の自由は沖縄では禁止されます」。

 休暇を認められた兵士は、いまやそれをするために沖縄を離れる必要があります。

 この厳しい自由の方針は、作戦上の必要条件に従って、沖縄で課される三段階で最も制限されたものです。

 在日米軍が発表した2016年自由の秩序によると、このレベルの制限は、作戦上の任務を完了するためのアメリカの能力の基盤となるホスト国を脅かす(外国の刑事裁判件の)事件によって行われることがあります。

 沖縄の隊員が関与した基地外の事件のあと、特権とアルコール摂取が削減された最初のときから、かなり経っています。

 米軍兵士が関与する注目される事件に引き続いて、それはほとんどお決まりの手順です。

 2016年だけで、こういう事件が3件ありました。

 2016年6月、海軍の下士官が、彼女が通りを間違った方向に運転し、車2台に突っ込んで、地元民3人を負傷させた飲酒運転事件で逮捕されました。

 それよりも前、2016年3月、海軍上等兵が酒に酔っている間に日本女性を強姦して逮捕されました。

 現在の事件は米軍当局にとって特に悪いタイミングで来て、嘉手納空軍基地で働いていた元海兵隊員、ケネス・フランクリン・ガドソン・シンザト(Kenneth Franklin Gadson Shinzato)の殺人事件の裁判と同じ週に起こります。

 彼は20歳の沖縄の女性、島袋里奈(Rina Shimabukuro)を、2016年4月28日に殺害し、遺体を遺棄したと訴えられています。

 裁判は那覇市で進行中です。

 2016年12月、ニコルソン中将は、影響の下で隊員が運転することの普及を削減するように仕組まれた、新しい「薬物使用・飲酒運転の認識と防止キャンペーン」に署名しました。

 「数字は今年下がったといえますが、我々はまだ安心できないでしょう。1件でも多すぎることなので、我々はとても、とても懸命に働き続けるでしょう。飲酒運転の事件すべを撲滅するため、我々には我々自身と沖縄県民に対して義務があります」とニコルソン中将は言いました。

 50,000人以上の米兵が沖縄に配置されます。彼らの圧倒的多数は海兵隊員です。


 この事故はアメリカでも重大な事故として受け取られていますが、微妙にニュアンスが違うのがわかるはずです。

 シンザト容疑者の裁判と同じ週に事故が起きたことで、アメリカに対する日本人の目がより厳しくなるのではないかと警戒している様子が感じられます。

 特に、今回は勤務中の事故です。酒を飲んで仕事をしている海兵隊員がいることは、ホスト国の日本にとっては恐怖です。先日紹介した訓練基地での虐待事件でも、訓練教官たちの飲酒が関係していました。こうなると、海兵隊員と飲酒は切っても切れない関係にあると言わざるを得ません。今のところ、将校による飲酒に関係する事件は聞きませんが、下士官や兵卒による事件が多発しています。

 海兵隊の上層部は当然、焦っているでしょう。あてにならない部下たちが次々と事故をおこすのです。

 対策はとれられます。行動を、特に飲酒を制限することはできます。それでも、事故や事件が繰り返されているのが実情で、決め手がないのが問題なのかもしれません。

 

 

 


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