稲田防衛相はイスラエルとの無人機開発に反対?

2016.9.2


 今日午前の稲田防衛大臣の記者会見ではイスラエルとの無人攻撃機の共同開発問題に関して質問が出て、意味不明のやり取りがありました。(該当ページはこちら

Q:イスラエルとの無人機の共同研究や共同開発について、今の進捗状況を教えて下さい。
A:無人機に関しては、まだそういった具体的な国との間の、何かが決まっているというふうには承知をしておりません。
Q:イスラエルとの無人機の共同研究、あるいは開発することについて、大臣のお考えを教えて下さい。
A:共同開発については、様々な条件がクリアされることが必要でありますので、今、何かが決まっているということではないですし、また、何か具体的に検討しているということではないというふうに承知しております

Q:イスラエルの無人攻撃機は、過去にもガザ地区で、攻撃をしたり、人に対して攻撃をしたりしていますが、そういう国と共同研究あるいは共同開発について、大臣はどうお考えなのかということを伺いたい。
A:冒頭に申しましたように、共同開発するには、どこの国であれ、要件が必要でありますので、そういったことをクリアしない限り、共同開発ということはあり得ないと思います。
Q:イスラエルのガザ地区で攻撃を繰り返しているイスラエルと無人機を共同研究あるいは開発することについて、大臣御自身はどうお考えなのかということを伺いたい。
A:要件がどうか、という問題だというふうに思います。ですから、専ら他国の領域で地上の人間を攻撃するような無人機を開発するということは考えられないと思います。

 報道では防衛装備庁がイスラエルと無人偵察機を共同研究する準備を進めているとされ、防衛装備庁はその事実を否定しています。

 稲田大臣は「共同開発については、様々な条件がクリアされることが必要でありますので、今、何かが決まっているということではないですし、また、何か具体的に検討しているということではない」と答えました。

 条件がクリアされれば開発を行うという意味を含ませています。

 が、その一方で、「要件がどうか、という問題だというふうに思います。ですから、専ら他国の領域で地上の人間を攻撃するような無人機を開発するということは考えられない」と答えました。

 私にはまるで理解できない意味不明の回答です。

 無人攻撃機は活動場所を選びません。自国内でも自国外でも、活動が可能なら飛行できます。従って「専ら他国の領域で地上の人間を攻撃する」との認識は正確とはいえません。

 しかし、稲田大臣は無人攻撃機は「専ら他国の領域で地上の人間を攻撃する」と認識しているわけです。私にはよく分かりませんが、それはひとまず棚上げにしましょう。

 で、次にそのような「無人機を開発するということは考えられない」と述べています。

 つまり、日本はイスラエルと無人攻撃機の共同開発はできないという結論にみえます。

 ところが、その前に「様々な条件がクリアされることが必要であります」と述べていて、条件がクリアされれば開発は可能とも述べています。条件さえクリアされれば問題ないというわけです。

 稲田大臣は自分が言っていることが分かっているのでしょうか?。

 もっとも、日本人としては、政治家のこういった訳の分からない説明には慣れているのです。こういう時、真相は、イスラエルとの無人攻撃機の共同開発はやるってことですから。

 

 以下は記者会見の全文です。

1 発表事項
 なし。


2 質疑応答
Q:明日、3日で大臣就任されてちょうど1ヶ月になりますけれども、これまでの1ヶ月の間で、見えた課題等ございましたら教えて下さい。
A:8月3日に就任してから1ヶ月が経つわけですけれども、緊張感を持って職務にあたってきました。この1ヶ月の間で国内外の部隊の視察、更には外国の要人の皆様との会談を含めて、様々な業務を行ってきたわけですけれども、厳しさを増しているわが国の状況の中で、しっかりとわが国自身の防衛力の強化、更には日米同盟の強化、そして関係諸国との良い関係を構築していくなど、しっかりとわが国の防衛について、万全を期していきたいというふうに思っています。
Q:中国との連絡メカニズムの件なのですけれども、現在の交渉状況というか、進捗状況とはどのように認識されていますでしょうか。
A:まず、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムですけれども、これは定期会合の開催、そしてホットラインの設置、更には艦艇・航空機間の直接通信で構成するということでは一致しておりますが、具体的な内容については、中国側と調整を継続中でございます。今の状況について、相手との関係もあるので、お答えは差し控えますけれども、日中間で累次の機会に確認しておりますし、また、不測の事態の回避・防止のために、本メカニズムの早期運用開始が急務であるというふうに考えております。
Q:G20の際に、日中首脳会談が実施されるという、調整中だと思いますが、その際に年内合意ということを確認するという報道もありますけれども、その点はいかがでしょうか。
A:まだそういった具体的な時期・内容について、何か決まっているわけでもありません。また、G20における日中間の会談についても、調整中であるというふうに承知しております。
Q:イスラエルとの無人機の共同研究や共同開発について、今の進捗状況を教えて下さい。
A:無人機に関しては、まだそういった具体的な国との間の、何かが決まっているというふうには承知をしておりません。
Q:イスラエルとの無人機の共同研究、あるいは開発することについて、大臣のお考えを教えて下さい。
A:共同開発については、様々な条件がクリアされることが必要でありますので、今、何かが決まっているということではないですし、また、何か具体的に検討しているということではないというふうに承知しております。
Q:イスラエルの無人攻撃機は、過去にもガザ地区で、攻撃をしたり、人に対して攻撃をしたりしていますが、そういう国と共同研究あるいは共同開発について、大臣はどうお考えなのかということを伺いたい。
A:冒頭に申しましたように、共同開発するには、どこの国であれ、要件が必要でありますので、そういったことをクリアしない限り、共同開発ということはあり得ないと思います。
Q:イスラエルのガザ地区で攻撃を繰り返しているイスラエルと無人機を共同研究あるいは開発することについて、大臣御自身はどうお考えなのかということを伺いたい。
A:要件がどうか、という問題だというふうに思います。ですから、専ら他国の領域で地上の人間を攻撃するような無人機を開発するということは考えられないと思います。
Q:イスラエルと無人機を共同研究あるいは開発した場合、アラブ各国の反発が予想されますか、されませんか。
A:現時点でそういった特定の国との共同開発・共同研究ということは検討していません。

 


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