南スーダン反対勢力軍750人以上が生存

2016.9.17


 sudantribune.comによれば、国連の報道官、ステファン・ドジャリック(Stephane Dujarric)は、これまでにコンゴ共和国から引き出された南スーダンの武装反対勢力の人数が750人以上に達したと言いました。

 「金曜日にみなさんと共有した情報に加えて、国連コンゴ平和維持派遣団は、コンゴのガランパ国立公園から、このグループの個人を引き出し続けています。昨日、平和維持派遣団は人道的な理由により、さらに118人の人々を引き出しました」とドジャリックは声明の中でいいました。

 「今までに、SPLM-IOに属する個人752人を引き出しました」と彼は付け加えました。

 引き出された物事たちの中の631人は国連が運営する施設におり、一部は治療を受け、その他の者たちは消耗から回復しているところです。

 「安全対策はすべての場所で適切に行われています」とドジャリックは言いました。

 彼は、国連はコンゴと南スーダン当局両方、地域の諸国とコンゴ領内の南スーダン人の武装した個人の解決を見いだすために接触を続けていると言いました。

 「両国の当局は定期的に現場で行われた行動の情報を受け取ります」とドジャリックは言いました。

 「引き出された者全員は、国連のヘリコプターに乗る前に武装解除され、派遣団はこれらの武器を引き受けました」と、彼はさらに強調しました。

 しかし、国連はこの活動が人道的理由で行われ、コンゴの安定に寄与する範囲で行われたと繰り返し言いました。

 一方、武器反対勢力はコンゴでレイク・マシャル(Riek Machar)と共に引き出された数十人の将校が、すでにエチオピア国境、パガク(Pagak)の総司令部に到着したことを認めました。

 「コンゴまで我々の指導者に同行した将校の一部はすでにパガクに到着しました」と、マシャルの報道官、ジェームズ・ギャトデット・ダク(James Gatdet Dak)は火曜日に言いました。

 彼は先週パガクに到着した将校には、8月17日にコンゴ国境でマシャルと共に引き出された、軍報道官のウィリアム・ガジャス・デン大佐(Colonel William Gatjiath Deng)を含むと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 この記事には驚かされました。南スーダン政府軍が反対勢力軍との戦いで損害を出したことはすでに紹介していますが、それをさらに詳しく分析させる内容です。

 7月に戦闘が始まる前、政府軍は約2万人、反対勢力軍は1200人で、20倍近い戦力比でした。政府側は何かと理由をつけて、首都にやって来る反対勢力の部隊を減らそうとしていました。攻撃側は3倍の戦力比で優位を得るという軍事常識に照らしても、反対勢力軍は極めて厳しい立場にありました。

 ところが、戦闘がはじまると、ジュバ市内の病院は負傷した政府軍兵士で溢れかえり、中には国連の民間人保護施設へ逃げ込む者までいました。説明できない異常な現象だと、私は以前に書きました。

 反対勢力軍が待ち伏せ攻撃に成功した結果、奇襲効果が顕著に出たためと私は分析しましたが、当初、コンゴ国境で国連に救助された人数が300人台と聞いて、残りの反対勢力軍の大半は殺されたのだと考えていました。政府軍は徒歩で逃げる反対勢力軍を追撃したからです。敵に大きな損害を与えながらも、自らも大きく傷ついたのだと考えられました。

 しかし、750人以上が生き残っていたのです。この数はこの後も増えるかもしれません。損耗率37.5%はゆうに撤退を決断すべき数字ですが、20倍の戦力比の状況では大半が殺されてもおかしくありません。

 もちろん、20倍の軍隊が直接反対勢力軍を攻撃したのではないでしょう。敵に接触してはじめて、他の地域にいる部隊に戦闘地域への移動命令が出る訳ですから、遭遇時の戦力比は反対勢力が上回ったのかも知れません。しかし、20倍もの戦力があれば、その後の展開で最初の失敗は取り戻せるはずなのです。

 政府軍の正確な損害は分かりませんが、数百人程度は間違いありません。反対勢力軍の損害に近い数字、それを少し下回る数字かもしれません。20倍の優位としては、負けに等しい数字です。

 


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