国連が戦闘は南スーダン政府が計画と断定

2016.9.10


 sudantribune.comによれば、国連の機密報告書は、南スーダンの首都ジュバ(Juba)で7月8日に再開された戦闘はサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)とポール・マロン・アワン参謀長(Paul Malong Awan)の両方が命令したことを明らかにしました。

 報告書はキール大統領の軍隊が6月、戦闘が7月の第1週に大統領宮殿で始まる数日または数週間前に、隣国ウガンダから弾薬トラック数台分を運んだことも明らかにしました。

 国連の調査委員会は元第一副大統領レイク・マシャル(Riek Machar)が率いる反対勢力は戦闘の前に弾薬を買わなかったことも明らかにしました。

 国連委員会の専門家報告は、キール大統領とマロン参謀長が、彼らだけに配備する権限があったMI-24 ヘリコプターを用いて数百人を殺したジュバでの戦闘を命令したといいます。

 報告書は南スーダン軍高官と政治家からの数多くの報告を引用します。

 国際機構の報告書はキールとマロンが、L-39戦闘機の取得と思われるものを含めて新しい武器と弾薬を購入することに集中していたとも言いました。

 南スーダン国民は武器が入手し続けられたために、危害の結果の衝撃を被っていると報告書はいいます。

 「政府自信の説明によると、政府の歳入の大半は社会福祉事業ではなく、武器の購入を含めて、治安費用と戦争の活動に資金を供給しました。

 最高指導者2人が前日の事件を解決するために会議を開いた時に、大統領宮殿で勃発した戦闘に関してどちら側に責任があったかについて矛盾する議論がありました。

 キール大統領はプレス声明で、戦闘があった日に何が起きたかを知らないという一方で、数週間後にマシャルによるクーデターだったと言いました。

 反対勢力の指導者は告発を否定し、戦闘はキール大統領とそのグループが彼を殺すために計画されたといいます。

 兵士300人以上(大半がボディガード)が両側で死亡し、戦闘は翌日へ続き、マシャルの住居へ及びました。

 彼は退陣させられ、数週間後にコンゴ共和国へ越境するまでブッシュの中を追跡されました。

 国連安保理は南スーダン政府が民間人を守るために追加の平和維持軍4,000人を展開する計画に従わないなら、武器禁輸を負わせる恐れがあるといいました。

 「南スーダンの専門家委員会の調査結果は、南スーダンに武器禁輸を負わせるのに、さらに1日待つという不条理を示します」と国連人権監視の長、ルイス・シャーボノー(Louis Charbonnea)はいいました。

 報告書は、当局者たちがそれぞれの部族を動員することに集中し、それが民族の緊張を悪化させたとも言いました。

 部族の提携に基づいたコミュニティを武装させる政府と反政府派は、広範な暴力を煽り続けます、と報告書はいいます。

 追加の平和維持軍4,000人を政府が認めるよう圧力をかけるために、安保理が南スーダンを訪問した翌日に驚くべきことが起こりました。

 国連安保理と南スーダン政府の共同コミュニケは、南スーダンが平和維持軍を受け入れると言いましたが、外交官たちが去った直後、政府当局者は参加する部隊と携帯する武器について事前の承認を含めた条件を発表しました。

 外交官の訪問は、南スーダン政府に7月の混沌の中で外国人に人気があるホテル施設で暴れ回ったとされる兵士に責任をとらせるよう圧力もかけました。

 新しい報告は兵士80〜100人がテランホテルに溢れ、少なくとも国際支援活動家5人と人数不明のホテルの従業員を強姦し輪姦したといいます。

 彼らはNGOの「Internews」の職員ジョン・ギャトルアク(John Gatluak)を同僚の目の前で処刑もしました。

 国連報告は「この攻撃はよく調整されており、暴力と合同の機に応じた行為とみなすことはできません」と付け加えました。


 記事はほぼ全部を紹介しました。

 遂に国連の報告書が出て、戦闘がキール大統領派によって引き起こされたことが明らかになりました。当サイトで最初から主張しているとおり、この種の攻撃は勢力が優勢な方が開始するものなのです。

 弾薬の購入は明白な証拠であり、これがマシャルを殺害するために用意されたことが容易に推測できます。

 外国や国際機関に対する嫌悪感は民度の低い国にはいつものことで、それがテランホテル襲撃を導いたのです。

 マシャルを殺し、彼を裏切らせた元部下に第一副大統領を任せ、和平合意を彼が代わって実行するといい、国際社会を騙そうという魂胆です。閣僚も次々と身内と入れ替えています。そして、近隣諸国と国際社会には支援を要請するというムシのよさ。

 キール大統領が和平を壊し、戦闘を再開した張本人です。

 いよいよ「南スーダンに紛争当事者はいない」という日本政府の嘘にまみれた説明は成り立たなくなっています。能なしの外務省が発議し、能なしの政治家が承認した結果、自衛隊は無意味に紛争の地に派遣され、危険にさらされています。憲法とPKO法はほかならぬ日本政府により蹂躙されてしまいました。

 今後、国連安保理が新たな決議を行い、キール大統領の拘束を命じる可能性が高まりました。そうなると、現地は明らかに紛争地です。現在でもできない施設部隊による建設支援は、一層困難となります。現地に部隊を置いていても意味はありません。それでも撤退はないのでしょう。政府が間違いを認めることになるからです。

 


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