国連が南スーダン軍による性暴力を告発

2016.8.6


 sudantribune.comによれば、国連は南スーダンの最近の戦闘とその後についての予備調査で、サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)の軍隊が殺人と強姦、財産の略奪と破壊を行ったと言いました。

 国連人権担当官は木曜日、安全保障理事会に犯罪の実行者に対して、より強い行動をを行うよう要請しました。

 7月7日に首都ジュバで始まった5日間の戦闘とその後に関する進行中の国連の予備調査結果について安保理事会へ文書の更新を提供した後で、「緊張は非常に高いままで、違反行為はジュバ(Juba)と国内その他の場所で続いています」と国連人権高等弁務官、ザイド・ラード・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)は言いました。

 国連人権のトップ当局者は、国連人権担当官が受け取った情報は初期の戦闘の間に戦闘員と民間人数百人が殺されたことを示すと言いました。

 一部の民間人は戦う部隊の間で十字砲火により殺され、その他は政府側のSPLA(政府側)兵士により即座に処刑され、彼らは特にヌエル出身者を狙ったとみられます。

 報告は別々の2つの事件に触れました。7月11日に国軍のSPLAの兵士が、戸別の家宅捜索の間にヌエル族の民間人8人を逮捕し、彼らを近くの2つのホテルに連れて行き、そこで彼らは4人を殺しました。同じ日、SPLAの兵士がもう一つのホテルに押し入り、彼らは発砲してヌエル族のジャーナリスト1人を殺害しました。

 これまでに国連によって少なくとも民間人73人の死が記録されましたが、民間人の死者の総数はずっと多いことが実際に分かるかも知れません。国連は紛争に続く日々に最も激しく攻撃された地域のいくつかへは出入りが禁止され、いくつかの移動規制が実施されたままだと言いました。

 「戦闘は軍服を着た兵士たちと私服の男たちによる強姦や集団レイプを含む広範な性暴力も起こしました」とザイドは言い、外国籍と共に、ヌエル族、ディンカ族と3つの赤道州(南スーダンの南部地域を指す)の女性が狙われたと付け加えました。犠牲者の大半は未成年者でした。

 「我々は7月8日から25日までの間に、少なくとも217件の性暴力を記録しました」とザイドは言いました。

 「少数の地区で、様々な人種グループの女性がSPLA/IO(反対勢力)に属すると考えられる重武装した若者に強姦されました」と報告書は言いました。

 「しかし、情報によると、これまでに我々が集めた情報によれば、最も影響を受けた人たちは難民のヌエル族の女性と少女で、犯人は大半がSPLAであったようです」。

 「性暴力は初期の戦闘が収まった後も続き、女性と少女100人以上がジュバからイエイ(Yei)へつながる道路上で強姦や集団レイプを受けたと報告されます。たとえば、7月18日に女性と少女35人が別々の2つの事件で強姦されました。第一は、12人の未成年者を含む28人の女性がイエイ線上のジュベル(Jebel)交差点のSPLAの検問所で襲撃されたとされ、第2の事件は、その日、別の女性7人が民間人保護施設2カ所の間の道路上で強姦されたとされます。どこの人たちでしょうか。大半はヌエルで、戦闘の初期段階で難民となりましたが、UNMISS平和維持軍に保護されています」と報告書はさらに述べました。

 ジュバでの5日間の戦闘の間、数千人以上の人たちが難民になることを強いられ、民間人の多くは、ジュバのあちこちに現れた様々な検問所に配置されたSPLA兵士により国連施設への出入りを禁止されたと、報告書は付け加えました。

 「ボル(Bor)では、SPLAによる子供を含めた強制徴募の報告もありました。国連高等弁務官は国家統一の暫定政府へ対話を元に戻し、正義と責任を確実にするための手順を踏むよう主張し、国際社会に、暴力を止めて、南スーダン人すべての生活を尊重するために、本当の圧力を政府に対してかけるよう要請しました。最近の暴力のひどさと非常に危険な民族の合意に対して、安保理の緊急の行動を要請します」と報告書は言いました。


 ジュバ周辺で性暴力が行われたことは、数日前に報じられていました。この記事はその詳細です。

 この記事で分かるのは、日本政府が「首都は平穏」としている期間中に、そこでこうした組織的な性暴力が行われていたということです。日本政府はこういう被害を批判し、被害者の立場に立つことを忘れ、PKO五原則が崩れていないと言いたいために、犯罪行為を黙認したのです。

 この事実一つをもってしても、中谷元防衛大臣の南スーダンへの対応は誤っていたと断定できます。私が中谷氏を評価できない理由はまさにこれです。

 国際貢献を口にしながら、自衛隊がやっていることは、目的とかけ離れています。国際貢献がしたいのなら、なぜ自公政権は南スーダンによる蛮行を非難して、圧力をかけようとはしないのでしょうか?。外務省のホームページにはそれらしい発表は載っていません。おかしいですね。

 これは憲法を変えなくてもできる国際貢献なんですよ。

 議論を呼んでいる駆けつけ警護も、考えてみたら、対象は日本人だけで現地人は無関係。

 それは自衛隊の派遣の目的が南スーダン人を助けることではなく、部隊を派遣することで国際社会から評価されたいだけだからです。

 この矛盾を、日本人は国連にどう説明するのでしょう?。別に気にする必要はないことと考えているのでしょうか。未来永劫、日本の国際貢献はこのレベルで日本人は満足なのでしょうか?。

 なぜ野党の人たちは、自公政権のこの体たらくを批判しないのでしょうか。あなたたちは、もしかしたら、中身は自公と同じなのですか?。特に、旧民主党の人たちは、南スーダン派遣を決めた責任があるとは思いませんか?。

 国益と関係ないからやりたくない?。この問題に積極的に関わることで、従軍慰安婦問題で落ちた日本のイメージを回復する国益があるじゃありませんか。

 


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