南スーダン政府軍が反対勢力に「宣戦布告」か

2016.8.5


 sudantribune.comによれば、サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)に従う南スーダン軍は3週間で初めて、ジュバ(Juba)周辺では激戦が起きていないという初期に否定していたものの、レイク・マシャル(Salva Kiir)に従うSPLA-IOを壊滅すると決意したことを公に認めました。

 「SPLAは権力を渇望する元第一副大統領レイク・マシャルの指導の下にいるSPLA IOの主戦論者を壊滅すると決めたと繰り返して言います。マシャルの盗賊たちは隠れる場所がありません」と、南スーダン軍報道官のルル・ルアイ・コアング准将(Brigadier Lul Ruai Koang)は宣言しました。

 マシャル配下の反対勢力グループは、数万人のキール軍がマシャルを彼が隠れている場所から捕らえようとして首都の周りのブッシュの中で攻勢を行っていると言っていました。

 キール大統領当直者が反対勢力による主張を軽視したものの、軍報道官から明かされた、マシャル軍が壊滅させられ、隠れるないという新事実は、激戦が首都周辺の森林の中で進んでいることを示します。


 記事は一部を紹介しました。重要な前半だけ紹介します。後半は双方の批判合戦しか書かれていません。

 記事のタイトルは「SPLA hints declaring war on SPLA-IO forces」で、「政府軍が反対勢力軍に宣戦布告を暗示」 です。多少ぼかした表現ではあるものの、反対勢力を殲滅すると宣言したことは疑いがありません。

 これは南スーダンが戦争状態にあるという明確な証拠です。首都での小競り合いではない、全面戦争に突入するとの宣言です。

 それでも日本政府は「首都は平穏」「南スーダンは紛争状態にない」と言い、否定することはないのでしょう。中谷元元防衛大臣は退任会見で号泣する暇があるのなら、南スーダンに関して明確な態度を打ち出すべきでした。

 いまの日本政府には強力なリーダーシップをとる人がおらず、こうなった南スーダンの状況に的確な対応を支持できる人がいないのです。介入を勧告した外務省は、いまごろ責任逃れに終始しているのでしょう。政治家たちは官僚が用意した神輿に乗っているだけです。官僚はいまさら失敗でしたとはいえず、結果として現地部隊は放置されたままとなるのです。こういう権力者同士の関係は最悪です。

 中谷氏は退任会見で稲田朋美をリーダーシップの人と持ち上げましたが、彼女にとっては、これは人類の霊魂進化のための絶好の機会ですし、彼女には必要な軍事知識はありません。予想できるのは最悪の結末です。

 さらに真実を報道しない国内マスコミのおかげで、日本国民は何も知らされないままです。いまや関心はリオ・オリンピック。メダルの数のみ。

 なお、紹介していませんが、キール大統領がマシャル派の大臣をどんどん解任して、自分の配下の者と交替させている記事も出ています。(記事はこちら

 


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