南スーダンで子ども兵の徴用が続く

2016.8.21


 18日付けのwashingtonpost.comが、AP通信が入手した国連の内部文書によれば、南スーダン政府は先週、新たな紛争に備えるために子ども兵を徴用したと報じました。

 文書は、サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)が指名した政治家高官が脅迫を使ってすべての村の男の子の徴用をさせたと言います。

 一部は12歳の若さでした。

 どれだけの子供たちが巻き込まれたかは不明です。

 南スーダンの武装グループはしばしば、主要な健康の源で、畜産社会での地位である家族の家畜を差し押さえると脅すことで、軍隊に参加するよう子供に強制します。

 国連の文書は、国連安保理が、先月の首都ジュバ(Juba)での新たな戦闘の後で、追加の平和維持軍4,000人を、民間人を守るために東アフリカの国へ送ると先週承認した直後、子供たちの徴用が行われたことを示します。

 これとは別に、UNICEFは金曜日、今年だけで少なくとも子供650人が南スーダンの武装グループに参加したと発表しました。

 2013年12月に始まった内戦以来、約16,000人の子供が徴用されました。

 南スーダン軍報道官、ルル・ルアイ・コアング(Lul Ruai Koang)は軍隊に参加した若者は強制されていないと言いました。

 彼は最近の子供の諜報は知らないと言いました。

 UNICEFの副事務局長のジャスティン・フォーサイス(Justin Forsyth)によれば、南スーダン軍と反対勢力軍は繰り返し、子供の徴用の申し立てに取り組むと約束しながら、両者は7月に暴力が発生してから徴用を続けました。

 「彼らは若い心を簡単にコントロールして操れると信じます」とフォーサイスは言いました。

 「子供たちはそれから残虐行為に関与し、言われたことをします」。

 子ども兵は18歳未満で武装グループに参加するように誰かを徴用することと定義され、国際刑事裁判所は15歳未満の徴用を戦争犯罪とみなします。

 ユニティ州(Unity)で今月行われたインタビューで、元子ども兵の一人は、16歳で参加したとき、軍隊で調理と洗濯をすると思っていましたが、前線で戦うために行かせられたと言いました。

 「もし前線に行けば、2つのことが起こります。誰かを殺すか、殺されるかです」と彼は言いました。

 彼は数ヶ月前に軍隊を除隊し、UNICEFのプログラムの一つとして様々な武装グループから復員した1,000人の子ども兵の一人です。

 「私はあまりにも若いときに銃を与えらて不幸でした」とそのティーンエイジャーは言いました。

 「恐れれば、指揮官はあなたを殴るでしょう」。

 北レイク州(Northern Leich)の知事、ジョセフ・メニトー(Joseph Manytuel)によれば、内戦が勃発してから、子供たちは彼らのコミュニケーションを守るために増加した率で徴用されています。

 「危機にある時、参加する準備ができている者はほっておかれません」とメニトーは今月早くにベンティーウ(Bentiu)で言いました。

 昨年、バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)は南スーダンに2008年の子ども兵保護法に部分的な免責を発令し、南スーダンの和平プロセスを支援するためにアメリカが軍事支援を続けることを許しました。


 いつもスーダンの新聞記事ばかり取り上げているので、今回はワシントン・ポスト紙が南スーダンをどう報じているかを調べました。

 子ども兵の徴用という深刻な戦争犯罪が、南スーダンで引き続いて発生していることが分かります。

 武力紛争は存在しないという日本政府の公式見解が完全に間違っており、そう主張することで、日本政府が子ども兵の被害を公式に無視していることも分かります。

 特に平和維持軍の増員が決まったあとで子ども兵の徴用が行われたという説明は、南スーダンで武力紛争が新たな段階に入ったことを示していますが、日本政府はそれすら無視しています。

 国連中心主義をいいながら、「地球の反対側にいるガキのことなんか知るかよ!」というのが日本政府の本当の姿です。自国の国益しか考えていません。

 この記事の途中に「A commitment to Africa's future(アフリカの未来への献身)」というタイトルの記事にリンクが張られていて、安倍首相の写真も掲載されていました。これはワシントン・ポスト紙が日本のアフリカへの貢献について書いた記事のように見えました。勇んで記事を開いてみたら「Content from the Government of Japan(日本政府によるコンテンツ)」と併記されていていました。お恥ずかしい自己宣伝でした。

 気になったので、ワシントン・ポスト紙のサイトを、「south sudan」と「japan」というキーワードで検索したら、2013年に弾薬の貸し借りで国連部隊の韓国軍ともめた話がトップに出てきて、顔がさらに赤くなってしまいました。ろくな話が出てきません。

 自衛隊の南スーダン派遣隊は、ワシントンではまったく注目されていません。宣伝費は無駄になっているようです。注目されたかったら、本物の支援を行うことです。

 なお、アメリカが子ども兵保護法を南スーダンに一部適用していないとの説明は、完全に法を適用すると南スーダンの和平プロセスが進まないために、部分的に適用しないことにしたのでしょう。こういうむずかしい判断すら、日本はしていませんね。

 


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