Military.comが日本の終戦記念日を報じる

2016.8.16


 military.comによれば、月曜日、安倍晋三首相は終戦記念日に近隣諸国との論争を避けるために、戦死者と共に有罪判決を受けた戦犯を讃える東京の聖地から距離を置きました。

 安倍はそのかわりに、玉串料を靖国神社へ送りました。

 彼の2013年の神社参拝は中国と韓国から厳しい非難を浴びました。両国は靖国を日本の戦時中の軍国主義の象徴とし、参拝を日本の戦時中の武力侵略を取り繕おうとするものとみなします。

 安倍政権は、来月中国で行われるG-20サミットで、習近平国家主席との会合を行いたいとしています。

 月曜日の後刻、全国戦没者追悼式で、安倍は戦争の悲劇を繰り返さないという誓約を繰り返しましたが、日本の戦時中のアジアにおける行動には言及せず、犠牲者への謝罪もしませんでした。

 彼は昨年、ワシントンでの演説と70回目の終戦記念日の別の演説で、日本の戦時中の行動にいくらか触れましたが、国家行事でのその前の3つの演説でも、そうしませんでした。

 明仁天皇は、昨年初めて使ったフレーズ「深い反省」を繰り返し、彼の言葉と安倍との間の対比によって、メディアの注目をひきました。

 82歳の明仁天皇は先週、ビデオメッセージで退位の意向を示してから初めての公の場で、黙祷を行ったあとに話しました。

 安倍は追悼式への途上で、武道館の近くの千鳥ヶ淵戦没者墓苑も訪問しました。

 日本の戦時中の行動について、アジアで尾を引いている苦々しい感情の兆候として、韓国の政治家グループは、日本の植民地支配からの解放を祝うために、日本海の論争の小島に上陸するため、この日を選びました。

 島は韓国が支配しますが、日本も領有を主張します。

 菅義偉官房長官は島の領有権について繰り返し、政治家たちの行動は受け入れがたく、非常に遺憾だと述べました。

 彼は日本政府が韓国政府に抗議したと言いました。

 中国の南京では、中国と韓国の代表者が1937年の悪名高い南京大虐殺の犠牲者のための記念館に、中国が抗日戦争と呼ぶものの勝利を祝うために集まりました。

 大統領が日本との将来の関係に集中する韓国では、外務大臣が安倍政権のその他の閣僚の靖国参拝について深い懸念を表明する一方で、入り混じった反応がありました。

 8月初旬以来、少なくとも4人の閣僚(2人は月曜日)が靖国を参拝しました。

 与党自由民主党の政治家で、安倍の総裁特別補佐の西村康稔は記者に、安倍からの玉串料を神社に送り、代理で祈りを捧げたと言いました。

 定期的に靖国に参拝する超党派の政治家グループの長、尾辻秀久は記者に、判断が国益に基づいていれば、安倍が不在なのは戦没者から理解されると言いました。

 日本の戦時中の残虐さを軽視することで知られ、最近防衛大臣に指名された稲田朋美が議長を務める議会保守派議員グループも神社を参拝しました。

 稲田は靖国の祭典行事の常連ですが、現在は国外にいます。


 日頃の言動から、米軍人向けの新聞であるmilitary.comが、日本の終戦記念日に注目しています。

 保守系の人が多い米軍の軍人が読む新聞でも、靖国問題は批判の的であることを、日本人は知っておく必要があります。

 記事では、安倍首相が第2次世界大戦に対する反省や謝罪を述べないことに焦点があてられています。そして、それが天皇の発言と比較されています。

 さらに、稲田防衛大臣がおそらく初めて、この新聞で取り上げられたと思われますが、なんとも強烈な書き方です。

 その稲田ですが、ジブチの派遣部隊を訪問する際、公務であるにも関わらず、カジュアルな服装で出発したことが報じられています。

 まったく話にも何もなりません。常識をわきまえないにもほどがあります。

 マーガレット・サッチャーの回顧録に、近衛兵がテロ攻撃で死亡する事件が起きた時のことが書かれています。情報を聞くと、彼女はすぐに黒っぽい服に着替え、祈りを捧げたといいます。

 この程度の常識は責任ある公人として当然のことです。

 稲田の件はひどすぎるので、防衛省に以下のように意見を書き送りました。まったく、この先が思いやられます。

稲田朋美防衛大臣がジブチ訪問に出発する際に、公務であるにも関わらず、休暇旅行に行くかの如きカジュアルな服装だったとの、恥ずべき報道を目にしました。

公務であり、ジブチに派遣されている自衛隊の部隊を視察・激励するという目的からしても、まったく不適切な装いであり、その感覚を疑わざるを得ません。

大臣の倫理上の問題だけではありません。各国の情報機関はこの振る舞いから稲田大臣の正確を「奔放」と分析し、対日外交に反映させようとするでしょう。大臣自ら隙を見せ、国益を損ねる恐れを来すとは言語道断です。

せめて帰国する際には相応しい服装をすること、今後、同じ過ちを犯さぬよう求めます。

 


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