プーチンがNATO軍の増強を批判

2016.7.1


 military.comによれば、ロシア周辺でのNATO軍の増強はヨーロッパにおける軍事力の同等性をひっくり返したと、ウラジーミル・プーチン大統領は木曜日に言い、ロシアは高くつく軍拡レースに乗ることなく、報復的な対処をすると付け加えました。

 プーチン大統領は、NATO軍がボーランドとバルチック諸国に軍を派遣し、ミサイル防衛基地を建設して、浩然と対ロシアの意図を示していると言いました。

 「そうしたもののすべては、数十年にわたり形成された軍事力の同等性を蝕むことを狙っています」と、プーチン大統領は外交官を前にした外交政策演説で言いました。

 NATO軍はウクライナ危機を巡るロシアとの緊張の中、東方の加盟国を安心させるために武器と部隊を交代で動かしています。

 ロシアはNATO軍のアメリカが中心となるミサイル防衛の盾を最高の安全保障の脅威としており、米政府のミサイルの盾はイランのミサイルの脅威を交わすためだという主張を否定しました。

 プーチン大統領はアメリカがイランが核協定に合意したにも関わらず、ミサイルシステムを開発していることを指摘しました。

 「我々はそれが嘘、口実にすぎないと最初から言いました」と、プーチン大統領は言いました。

 「そして、現実はそれを証明しました」。

 プーチン大統領は、NATO軍の増強に十分な対処をするものの、高くつく軍拡レースには引き込まれないと言いました。

 「我々は軍事主義者の熱狂に屈するつもりはありません」と、プーチン大統領は言いました。

 「しかし、我々は弱さを示すことなく、常に我々自身を確実に守ることができるでしょう」。

 イギリスのEU離脱について、彼は国民投票のトラウマの効果はとても長く続くと警告しました。

 プーチン大統領は、大西洋から太平洋まで、EUと共に共同経済圏を発展させることに関与し続けると付け加えました。

 彼はテロの脅威をロシアの安全保障の最大の課題と認め、シリアとイラクで活動するイスラム国は中央アジアの旧ソ連国を含む多くの地域へ各地区する計画を練っていると言いました。

 ロシアの指導者は、ロシアとアメリカが仲介したシリアの停戦を、テロの脅威と戦うために必要な共同行動の実例として賞賛しました。

 プーチン大統領は、ロシアはウクライナ危機の早期安定を望むものの、それはウクライナ東部に関する2015年の和平協定の終結時のウクライナ会議にかかっていると言いました。

 ロシアが支援する武装勢力とウクライナ軍の東部ウクライナでの戦いは、ロシア政府がクリミア半島を併合した数週間後、2014年4月に勃発しました。

 ミンスク和平協定は敵対行動を減らしたものの、政治的解決は遅れました。


 記事は一部を紹介しました。

 前にも書いたように、冷戦時代からNATO軍とロシアの確執は続いています。第三者的には、今回の増強を生んだのはロシアのクリミア半島併合が原因で、一方的にNATO軍を批判することに正当な理由はないように思われます。しかし、ロシアからすればウクライナのNATO軍加入は自国に対する直接的脅威となります。この行き違った批判合戦は終結をみそうにありません。

 プーチン大統領が、軍拡レースではなく、報復的な対処をすると述べているのは不気味です。まさか、シリアでそれをしないでしょうね、と言いたくなります。テロとの戦いという錦の御旗を利用すれば、反政府派を支援する西欧の足を引っ張ることは可能です。私はそれを一番恐れます。

 


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