イラク軍がイスラム国からルトバを奪還

2016.5.21

 military.comによれば、アメリカの空爆に強化され、イラク軍が2年間近く占領していたイスラム国戦闘員が逃げるかごく軽い抵抗をしたあとで、西部の街、ルトバ(Rutba・kmzファイルはこちら)を奪還しました。

 バグダッド駐留米軍指揮官、ショーン・マクファーランド陸軍中将(Army Lt. Gen. Sean MacFarland)は金曜日に、ルトバは小さな街ながらもイラク軍にとって重要な勝利だと記者に言いました。

 マクファーランド中将は、イスラム国からルトバを奪ったことは、アンマン(Amman)からバグダッド(Baghdad)への幹線道路を再開させると言いました。この道路はイラクにとって重要な経済的生命線です。

 ビル・ミューレン海兵准将(Marine Brig. Gen. Bill Mullen)は別のインタビューで、ルトバの決定的行動は、イスラム国の戦闘員十分な抵抗を示さずに逃亡するよう促したとみられる街郊外でのアメリカの空爆だったと言いました。

 彼はイラク軍が攻撃する前にルトバに2百人の戦闘員がいたと見積もられ、イラク軍が到着する頃までには30人ほどがアル・カイム(al-Qaim)へやシリア国境をわたって逃げたと言いました。

 米軍司令部報道官、スティーブ・ウォーレン大佐(Col. Steve Warren)は、イラク人は兵士約1,000人をルトバへ送ったと言いました。

 彼らはイラク連邦警察、スンニ派部族戦闘員、国境警備隊、対テロ部隊の隊員の混合部隊でした。

 ウォーレン大佐は、イスラム国はルトバをイラクに出回る武器と外国人戦闘員を準備する場所として使っていたと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 ルトバはラマディからシリアのバグダッドとヨルダンのアンマンに通じる幹線道路上にあります。このため、ここをイラク軍が占領することで、シリアからの外国人戦闘員と武器の流入を防げ、ヨルダンから物資の輸送が可能になります。そのためにはルトバからさらに前進して、ルトバの西方で分岐している道路を確保して、ヨルダンから来る道路の安全を図る必要があります。もっとも、イスラム国がシリア国境の町、アル・カイムまで逃げているのなら、あまり心配はいらないのかも知れません。

 これはかなり大きな成果です。街の大きさは関係ありません。

 イスラム国の勢力は200人程度。イラク軍が1000人なら戦力比は5対1で、圧倒的優勢でした。もはや、イスラム国は拠点を守る勢力を維持できていないようです。

 


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