ドゥセク大佐の贈収賄事件の詳細が明らかに

2016.3.28


 military.comによれば、米海軍にとってダニエル・ドゥセク大佐(Capt. Daniel Dusek)は、第7艦隊の特別な指揮官であり、精神的な導師であると考えられていました。

 海軍請負業者ファット・レオナルド・フランシス(Fat Leonard" Francis)にとって、大佐は金のなる木でした。

 高位の資格と強力な勢力の範囲で、ドゥセク大佐はフランシスが賄賂の支払いを望むタイプの当局者で、ドゥセクは7ヶ月間収賄に応じました。

 艦隊の作戦副部長の49歳のドゥセクは、食事、エンターテイメント、豪華ホテルの滞在、売春婦のサービスと引き替えに、フランシスの契約会社に機密の水上艦と潜水艦の予定表を何十回も密かに渡し、船をフランシスが支配する港へルート変更するよう海軍将校を説得しました。

 彼はこうしたことをした最初の人物ではありませんが、現代海軍を揺るがす最大のスキャンダルの一つ、フランシスが関与した大きな贈収賄の陰謀で起訴された最高位の海軍将校です。

 金曜日、サンディエゴ連邦裁判所で、地区裁判官ジャニス・サマーティノ(District Judge Janis Sammartino)は彼の階級が判決を決める主要因だと言いました。彼女は最終的に、検察官が推奨したよりも2ヶ月間長い禁固3年10カ月を下しました。

 「この法廷にとって、合衆国海軍のあなたの地位にある何物かが、提供されたものを理由に内通するとは、本当に想像に及ばないことです」とサマーティノは言いました。

 彼女は7万ドルの罰金と3万ドルの賠償金を支払うように命じました。

 ドゥセクは長い謝罪文を書き、フランシスを海軍高官から紹介されたと言い、フランシスを「海軍の偉大な有人」と説明しました。

 シンガポールに拠点を置くフランシスの会社、「グレン・ディフェンス・マリン・アジア社(Glenn Defense Marine Asia)は何十年も東南アジアを訪れる船に対して、ゴミ除去、食糧、飲料水、燃料、保安を含む維持管理サービスを提供していました。

 艦隊の旗艦ブルー・リッジ(Blue Ridge)に配置されたドゥセクは後に、フランシスと仕事をするために退役した海軍将校、エドモンド・アルフォ(Edmond Aruffo)との友情を発展させました。

 その関係を通じて、彼は「私の前に置かれた誘惑に屈した」とドゥセクは言いました。

 ドゥセクはアルフォに機密の艦船の予定表を渡し、アルフォはフランシスに電子メールを送りました。

 法廷で検察官が音読した書簡で、P・G・ソーヤー少将(Rear Adm. P.G. Sawyer)は「(ドゥセクは)職務上グレン社のカードホルダーで、添付物は彼が提供した予定表です」と言いました。

 ソーヤー少将はこうした機密の予定表の公表は、我々の任務、我々の艦船、我々の隊員を危害を受ける危険を増やすと言いました。

 艦隊の移動に影響を持つドゥセクは後に、空母アブラハム・リンカーンをマレーシアのフランシスが所有する港、クラン港(Port Klang)に運ぶよう要請しました。

 ドゥセクは電子メールで、空クラン港は母をドックに入れるのによりよい選択だと提督を信じさせたとアルフォに答えました。船は2010年10月にそこで停泊することになりました。

 フランシスがニュースを聞いたとき、彼は電子メールで「(ドゥセクは)ビッグ・デッキ(航空母艦)を我々の多額の儲けがあるグレン社の港に持ってくる金のなる木だ」と答えました。

 グレン社は海軍にその停泊で160万ドルを支払うことになり、多額の費用が請求書に書き込まれたと副米連邦検事、マーク・プレッチャー(Assistant US Attorney Mark Pletcher)は言いました。

 総計で、調査官はフランシスが贈収賄とは別に、港への立ち寄りで船に過剰な請求をして、入港税と入札を偽造して3,480万ドルを過剰請求したと見積もります。

 後に別の司令部へ異動したドゥセクは2013年に海軍犯罪調査部の捜査員によるフランシスとの関与について質問されたと、彼の弁護士、ダグラス・アプルゲイト(Douglas Applegate)は言いました。

 ドゥセクは捜査員には正直に話しませんでした。

 数日後、海軍将校とのビジネス会議を装った場所へ呼び出され、フランシスはサンディエゴで逮捕されました。

 ドゥセクが逮捕を知った時、彼は電子メールアカウントを削除しましたが、直後に考えを変え、上官に電話して、罪を認めました。

 彼はこの事件で犯罪行為を自供した唯一の被告です。

 ドゥセクは贈収賄の共謀について有罪を認めて、捜査に協力し、それは続いています。

 金曜日、ドゥセクは判決公判で最初に話したいと求める変わった要請をしました。

 被告は弁護団は発言した後、意見を述べることを選ぶものです。

 「私はグレン・ディフェンス・マリン社との私の関係を決して許しません」「私は私の階級が最大の問題だと認識し、深く後悔もしています」。

 彼は第7艦隊の作業環境は一日に10〜18時間、1週間に7日間で、ほとんど維持できないと言いました。

 彼の二度目の血痕は終わり、彼は父親の死を悼み、救いを大量のアルコールに求めました。

 彼は刑務所にいる間にアルコール・カウンセリングが提供されることを求めました。

 ドゥセクはこの事件で有罪宣告される3人目の海軍当局者です。

 トッド・マラキ少佐(Lt. Cmdr. Todd Malaki)は禁固3年4カ月を宣告され、ダン・レイグ1等海曹(Petty Officer 1st Class Dan Layug)は禁固2年3カ月でした。

 両者は同様の行為で有罪を認めました。

 フランシスの従兄弟、過剰請求を行ったアレックス・ウィシダガマ(Alex Wisidagama)は先週、禁固5年以上を宣告されました。

 フランシスとアルフォを含むその他数名も有罪を認め、判決を待っています。


 昨日紹介した事件ですが、詳細が分かりました。

 昨日の段階では、ドゥセク大佐が支払うのは7万ドルでしたが、賠償金が加わり、10万ドルに増えていました。気の毒ですが、自分がやったことをよく噛みしめることです。

 空母などの艦船は、野菜くずなどの生ゴミは粉砕して海中に投棄しますが、空き缶などはプレスして寄港時に業者に回収させます。5千人の搭乗員がいる空母ですから、ゴミの量も大量になります。

 こうした船を維持するための活動は請負業者がやり、海軍は気前よく費用を支払うので、こういう汚職が生まれてしまうのです。軍隊は金払いをよくすることで、不良品を売りつけられたりすることを防ごうとしますが、これが逆に汚職を生むのです。正に、業者にとって軍隊は「金のなる木」です。

 こうした軍隊の周辺にいる軍属も、軍事問題を考える上で無視できない存在です。従軍慰安婦を集めたのは業者で軍隊ではないといった言い訳がなぜ通用しないのかも、理由はここにあります。

 この事件は軍隊が関係する汚職する事件の典型例です。このパターンをよく記憶しておきましょう。

 


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