ロシアの撤退は数日間で完了の見込み

2016.3.18


 alarabiya.netによれば、木曜日に発売された日刊紙「コムソモリスカヤ・プラウダ(the Komsomolskaya Pravda)」とのインタビューで、ロシアはシリアに派遣した部隊の大半を2、3日で撤退完了するとロシア空軍指揮官、ビクトール・ボンダレフ(Viktor Bondarev)は言いました。

 シリアの反政府派はロシアの発表を歓迎しました。連続する撤退はシリア当局に圧力を加え、和平会談に陽性の刺激を与えると言いました。

 シリアからのロシア軍の部分的撤退は「非常に前向きなステップ」だと、サウジアラビアのアデル・アル・ジュビア外務大臣(Foreign Minister Adel al-Jubeir)は言い、彼はバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)に譲歩を強いるだろうと言いました。

 9月のロシアのシリアへの軍事介入は、アメリカ製対戦車ミサイルを含む外国の軍隊の補給で支援を受ける反政府戦闘員によって、西部で前進があった数ヶ月間の後に、アサド大統領に有利に戦争の流れを変えるのを助けました。


 まだ撤退は完了しておらず、大半を撤退させる予定で、これからも続くということのようです。

 シリア反政府派とジュビア外務大臣から肯定的な評価が出ていますが、撤退に関する詳細を知った上なのかが分かりません。当初の米軍の評価は非常に低く、まだ少数の部隊しか撤退しておらず、今後どうなるかを観察する必要があるとのことでした。まだ肯定的な評価をする段階でないと思われますが、最新情報ではそう言えるのかもしれません。

 今朝のテレビニュースでは地対空ミサイルS-400の配備を続けるとプーチン大統領が述べていました。これはバグダッドに配備すればシリアの東部を除く大半を射程に収める能力を持ちます。これはアメリカなどの航空機がアサド軍を攻撃した場合の対処策でしょう。部隊を撤退させても、地対空ミサイルを残せばかなりの戦力を維持することになります。プーチン大統領は数時間で再び部隊をシリアへ派遣できるとも述べています。

 撤退の実状がどうであれ、シリア軍だけで反政府軍に対処できると判断した上での撤退宣言です。明日、明後日くらいにはロシア軍撤退の最終的な評価が出るでしょう。

 


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