シリア停戦は概ね遵守の模様

2016.2.29


 alarabiya.netによれば、サウジアラビアは日曜日、アサド政権とロシアがシリアで停戦違反を行ったと非難しました。

 サウジのアデル・ジュビア外務大臣(Foreign Minister Adel Jubeir)はリヤドで記者に「ロシアと(シリアの)政権の航空機から停戦への違反行為がありました」と言いました。「我々はロシアとアメリカが共同議長を務める(17ヶ国の)シリア支援グループと議論しています」。

 軍用機がアレッポ州(Aleppo)で6つの街を攻撃したことを含めた違反はあるものの、シリアの停戦は大半は守られていると、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は言いました。

 シリアの反政府勢力はアサド政権とその同盟者が土曜日に15回停戦違反をしたが、日曜日には自分たちは停戦にこだわると言いました。高等国家委員会(the High National Committee: HNC)の報道官は「昨日は人々が本当に外に出て、通りを歩ける第一日でした」と言いました。しかし、彼はHNCがアレッポ周辺のロシアの空爆とザバダニ(Zabadani)でのヒズボラの攻撃を訴えるために国連と外務大臣たちに書簡を送ると言いました。報道官はHNCは国連にも停戦監視がどう機能しているかに関する情報を求めていますが、まだ返事はないとも言いました。

 一方で、ロシア軍も日曜日に過去24時間にもろい停戦が9回破られたものの、停戦は概ね守られていると言いました。ロシアの報道記事でシリアの調整センター長、セルゲイ・クラレンコ中将(Lieutenant General Sergei Kuralenko)の「過去24時間にわたり、停戦違反9例が発見されました」との発言が引用されました。「概ね、シリアの停戦体制は実行されています」。彼は違反行為にはラタキア州(Latakia)での砲撃が含まれると言いました。

 それよりも前、人権団体はジェット機の所属は明確でないと言いました。「我々はどの航空機が攻撃を行ったのかは知りませんし、これらの街が停戦に含まれているかが不明のため、停戦違反かどうかも分かりません」とラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdulrahman)は言いました。

 シリア国営メディアは攻撃に言及しませんでした。ロシア国防省はコメントを拒否しました。


 記事は前半部分を簡単に訳しました。

 心配されたものの、とりあえず停戦は守られています。これはさらに戦いを続けるための停戦なので、停戦が続いているから安心はできません。継続的な戦闘の中ではできないことを、停戦の間にやろうということです。人道支援では、支援物資を包囲された場所へ送れるものの、軍事面では必要な物資を送ったり、負傷者を後送したり、部隊を再編成するのに使われます。

 大きな違反行為がないのは、紛争当事者が戦いに疲れていて、この停戦を休息に使いたいためでしょう。

 


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