トルコもシリアで地上戦を要望

2016.2.18


 alarabiya.netによれば、トルコは同盟国と一緒の場合にだけシリアでの地上戦に賛成すると、トルコ当局が火曜日にいいました。

 「我々は我が国際的な同盟国と共に地上戦を望んでいます」と当局者はイスタンブールで記者に語りました。「トルコからシリアへの一方的な軍事作戦ありそうにありません」と当局者は言いましたが、「地上戦なしにシリアの戦闘を止めるのは不可能です」と付け加えました。

 トルコはシリア内戦を終わらせるために不可欠だとして、バシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)の追放を模索しており、イランとロシアがアサド政権を支援するのを厳しく批判します。「我々は同盟国のパートナーに地上戦を行うべきだと要請しています」と当局者は言いました。

 トルコ軍の砲兵が過去数日にわたりクルド人民兵を叩き、シリアのクルド人を支援するアメリカと関係が悪化しています。イスミト・ユルマズ国防大臣(Defense Minister Ismet Yilmaz)は日曜日、トルコ政府はシリアに介入する意図はないと言いました。


 短い記事なのでほぼ全体を訳しました。

 記事中の当局者が誰なのかが分からず、国防大臣と正反対のことを述べているのが気になります。どちらがトルコ政府の意思を反映しているのかが分かりません。

 しかし、当局者は同盟国にシリアでの地上戦を要請しているとも述べています。それならば、この当局者の意見がトルコ政府の意見なのでしょう。

 これがロシアが介入する前なら賛成したいところですが、今となっては事態の悪化を招きかねません。どうしても地上戦をやるというのならロシアがトルコ軍を空爆する可能性もあります。そうなると、第3次世界大戦になりかねません。サウジアラビア軍がシリア西方で作戦をする場合はロシアは黙認するかもしれません。しかし、トルコがアサド軍の近くで地上戦をやれば黙っていないでしょう。ラッカ解放のためだけなら認めるかもしれませんが、歓迎はしません。トルコがアサド大統領を嫌悪していることも、ロシアにとっては懸念材料です。すでにロシア戦闘機の撃墜で二国間の関係は冷え込んでいます。

 こういう理由で同盟国はトルコのシリア介入に賛成しないだろうと思います。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.