米議会が陸軍と海兵隊に小銃弾の統一を要請

2016.12.3


 military.comによれば、米議会が陸軍と海兵隊が異なる小銃弾を使っていることの説明を求めています。

 水曜日に公表された2017会計年度の国防歳出法の最終的統合版は、国防長官になぜ二つの軍がM16A4とM4のために異なる5.56mm弾を使うのかを説明する報告書を下院軍事委員会に提出するよう求める条項を含みました。

 条項によれば、報告は新しい年の国防予算全体を含め、議案が成立した後180日以内に提出されなければなりません。

 国防長官が陸軍と海兵隊が2つの異なる種類のライフル弾を使う緊急の必要性を認めないのなら、彼らは1年以内に1つの基準弾を使い始めなければなりません。

 下院によって導入されたこの条項は、2つの軍の間の調達戦略の違いに対処します。

 海兵隊は5.56mmのM855弾を使い、陸軍はM855A1弾を使います。陸軍は2010年にM855A1弾(鉄と銅で造られた弾)がより性能がよいと分かったあとでM855から離れました。

 海兵隊は同じことを使用と計画しましたが、計画は2009年に試験で同じ弾がそれらの弾道を辿らなかったときに脇道へ逸れました。

 2015年、ジョセフ・シュレーダー准将(Brig. Gen. Joseph Shrader)は議会委員会に、再びM855A1をテストする計画があると言いました。

 「我々が新しい弾に追求するのは3つのことです。正確性、致死能力、痕跡または発火炎の抑制です」と彼はいいました。


 さすがに銃で建国した国は、議会も軍隊が使う武器に口を出すものです。日本の議会では、そもそもここまで知識をもった議員がいません。

 なぜ異なる弾丸を使っているのかというと、米軍が使う小銃の弾は相談不良が起こりやすいこと、当たっても敵兵が倒れないと、散々、兵士から苦情が出たためでした。つまり、連射すると、空薬莢が正常に排出されず、銃が撃てなくなり、当たっているはずなのに、敵が倒れてくれないということです。当サイトで、この話は何度も取り上げました(過去の記事はこちら )。

 海兵隊がM855A1に移行していなかったとは驚きです。経緯から見て、M855A1へ移行する結論となるでしょう。同じ弾を使う方が、両軍で弾を融通する可能性が生まれます。

 日本で、こういう議論はあまり行われません。防衛に関する議論は、噛み合わないとか、政府がまともに答えようとしないとか、防衛省が「敵に手の内を知らせる」と反対して情報を出さないといった結果になりがちです。国民も武器の話なんかピンとこないので、大して関心を示しません。

 その結果何が起きたかというと、どうやら自衛隊にはかなりの欠陥兵器・装備がありそうだということです。それも防衛省の秘密主義で正確なことが分からないため、武器・装備の有効性は謎のままです。本来、議会ではこういう問題を追及すべきなのです。



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