南スーダン政府は新しい委任条項に不満

2016.12.19


 17日付けのsudantribune.comによれば、南スーダンは国連安保理が行った2017年12月15日までの同国内での任務の委任条項を拡大する決定を慎重に歓迎しました。

 新しい委任条項はその兵力を地域介入部隊4,000人を含め、現存の13,500人から17,000人へ増やします。

 任務の中心的な要素は、民間人の保護、人権の監視と調査、人道支援を送る状況の構築、和平合意の実行の支援を含みます。

 また、地域防護部隊にジュバ(Juba)へ出入りするルートの防護、ジュバ国際空港とジュバ周辺の主要なインフラの引き継ぎ、国連・非政府組織、その職員と民間人への攻撃や攻撃の準備をするあらゆる派閥との戦闘を含みますが、武器禁輸と狙いを絞った制裁ではありませんでした。

 当初、南スーダンの治安状況と明白な部族間の戦争の可能性があることから大半の当局者が深い懸念を表明したため、地域防護部隊が支配する下で、政府が主要なインフラと施設を手渡すことに同意するかは不明のままです。

 土曜日にインタビューで、大統領の軍事顧問は、政府派まだ新しい委任条項について国連からいかなる公式な説明も受け取っていなかったと言いました。

 「私は昨日、UNMISSの委任条項の更新についてメディアから聞きましたが、当地のUNMISS指導層から公式説明をまだ受けていませんでした。これは来週の活動となるかも知れません」とダニエル・アウエト・アコット(Daniel Awet Akot)は言いました。

 彼は、彼が政府とアフリカ連合との十分な協議がない和平・治安問題に関する継続する片側的な行動と説明するもののために、理事会に失望を表明しました。

 「和平の問題は一つの目的によって調整されるべきです。それらは偏っているべきではありません。理事会は特に、制裁や処罰の脅しを使うよりも和平合意を実行するために政府と共に活動すべきです。いま必要な尾は、治安と安定を取り戻すことを含めた前向きで建設的な課題です」と彼は説明しました。


 「慎重に歓迎」と記事は書いていますが、実際には不満で一杯なのです。

 今回の委任条項には制裁が含まれないのに、国連がそれをすると脅していると大統領顧問が文句を言っています。国連がマシャル派に肩入れしていると文句も言っています。

 こんな中で任務に就く自衛隊派遣部隊の安全が心配なのは当然です。

 気になるのは主要なインフラの引き渡しに南スーダン政府が応じるかどうかという部分です。部隊が入国することまでは認め、その後、引き渡しについて、延々ともめる可能性があります。

 不思議なのは、日本政府から、こういう南スーダン政府の態度に関して、何の不満も出てこないことです。国連の指示に従うよう、なぜ要請しないのか。関心がないのか、紛争が続いて欲しいと願っているかのどちらかだと言いたくなります。

 



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