米軍がシリアへ兵士200人を追加派兵

2016.12.11


 military.comによれば、シリアへ向かう追加の米軍兵士200人は、トルコから攻撃される危険があるシリア系クルド人が主導するイスラム国の自称首都のラッカ(Raqqa)に対する活動を支援します。

 人民防護部隊(YPG)として知られるシリア系クルド人戦闘員を高官は「彼らは我々がラッカへ向けて乗っている馬です」といいました。

 トルコ軍はイスラム国傘下の民兵が支配する国境地域を掃討するため、YPGも攻撃するために8月にシリアを侵略しました。YPGはトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(President Recep Tayyip Erdogan)がクルド自治区を切り開くことを決意するテロ組織と名付けました。

 「彼らの最大の懸念は(ラッカで彼らに対して配置されるイスラム国戦闘員ではなく)トルコが彼らの背後にあることです」と、高官はアメリカが訓練・装備を行い、シリア北東部で最良の反政府派戦闘部隊と広く考えられているYPGについていいました。

 トルコ人は「我々は一緒に活動していることを嫌っています」と高官はいいました。

 アメリカは彼らの意図に対する懸念からシリアにいるトルコ軍への航空支援を止めました。

 匿名を希望した軍高官は金曜日、シリアで増加する複雑な戦場を説明し、シリア内でトルコ軍とロシアの支援で北へ前進しているバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)と軍隊との潜在的な衝突を懸念しています。

 オバマ政権が去り、次期大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)が新しい最高司令官として引き継ぐ時、米軍は政治的空白の中でも活動していたと、高官はいいました。

 彼は「いまでもアサドを排除する政治目標のままですか?」と尋ねました。

 バーレーン(Bahrain)でのアラブ諸国指導者との安全保障協議会での中東政策に関する主要な演説で、アシュトン・カーター国防長官(Defense Secretary Ashton Carter)は「アメリカは、特殊作戦軍、教官、顧問、爆発物除去チームを含めた追加の米軍部隊約200人をシリアへ派遣します」といいました。

 「これらの類を見ない技能を持つ者たちが、イスラム国と戦うために士気の高い地元部隊を組織し、訓練し、装備し、もしくは能力を与えるため、巨大な竜巻のうずのような作戦域周辺の米軍部隊の負荷を軽減もするため、すでにシリアにいる米特殊作戦軍300人に加わります」とカーターはいいました。

 演説は中東政策に関するカーターの最後のものとなります。

  金曜日、バグダッドから国防総省へのテレビ会議で、生来の決意作戦の統合合同タスクフォース報道官のジョン・ドリアン空軍大佐(Col. John Dorrian)は、アメリカと同盟国の軍用機は先月、YPGとシリア民主軍が率いるクルド人とアラブ人戦闘員の混合部隊がラッカへの前進を支援するために約300回の空爆を行ったといいました。

 これらの空爆は要塞約90カ所と50台以上の車両を破壊し、イスラム国の補給線を途絶させ続けていますと、ドリアン大佐はいいました。

 「SDFとそのアラブ人部隊は、火種の街マンビジ(Manbij)を含めたイスラム国から解放した地域で、地元の集団を代表する統治機構を確立できたと、ドリアン大佐はいいました。

 「解放の後、240カ所以上の学校が開かれたことを含めて、彼らはマンビジの人たちにサービス提供を開始しています。一度解放されれば、ラッカのために地元の統治を伴う同様のモデルが進行します」と大佐はいいました。

 ドリアン大佐はトルコからのラッカへの前進に対する脅威を指摘もしました。


 記事は一部を紹介し、後半は省略しました。

 次期大統領がシリアの反政府派を見捨てると公言していても、現政権はやれることはやるという考えです。

 状況の展開次第では、次期大統領が直ちに米軍をシリアから引き揚げるのが難しくなる可能性もあります。

 トランプが大統領に就任する時までに、ラッカ侵攻が始まり、間もなく陥落するというところまで来ていたら、ラッカを米軍の支援で陥落させるという名誉に、トランプが誘惑される可能性は十分にあります。

 そんなことを考えたくなる記事です。



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