チグリス川の橋が空爆で使用不能に

2016.12.1


 military.comによれば、米軍の軍用機は現在、街の東部でイスラム国に切迫して戦うイラク軍に対する自爆自動車を制限するために、モスル(Mosul)のチグリス川(Tigris)上にかかる5つの橋の4つに損害を与えたと、水曜日に同盟国最高指揮官はいいました。

 橋への攻撃は街の東半分でイスラム国の迫撃砲、ロケット砲、狙撃兵、即製爆発物を積んだ特製自動車と戦うイラクの対テロ部隊を支援するために行われたと、生来の決意作戦(Operation Inherent Resolve)共同統合機動部隊の副指揮官、イギリス軍のルパート・ジョーンズ少将(Maj. Gen. Rupert Jones)はいいました。

 「イラク軍は厳しい抵抗に遭っている」とジョーンズ少将はバグダッドから米国防総省へのテレビ会見でいい、自爆自動車の接近を制限するために「対応として、同盟軍はモスル東部と西部をつなぐ5つの橋の4つに損害を与えた」といいました。

 同盟軍の航空機は、東部の増援と再補給をするためにイスラム国に属する民兵の能力をおとすために、道路に穴を開けてもいると、ジョーンズ少将はいいました。

 「橋への損害はダーイシュが川を越えて溢れてくることを一層難しくしています」とジョーンズ少将はいいました。

 彼は、街が開放されてから再建できるように、橋は完全に破壊されたのではなく、損害を与えられているといいました。

 攻勢が素早く進展したら「我々は橋を無傷で残すことを望みました」と少将はいいましたが、イラクのハイダル・アル・アバディ首相(Prime Minister Haider al-Abadi)は橋を狙うことを命じました。「アバディは決断を下しました。彼はこれらの橋を使えなくすること以外にほぼ選択肢がありませんでした。それは彼のためにまさに我々がしたことです」。

 共同統合機動部隊は東から川に達するための努力において、奮闘し、犠牲を出したものの、少将はゆっくりとした進展がなされ、イラク軍と同盟軍はダーイシュの打倒を確信しているといいました。

 彼は街の解放でタイムテーブルを示すことはせず、「これはレースではありません」といいました。


 軍事的な進展のみを紹介しました。

 「disabled」と原文に書かれていたので、完全な破壊ではなく、舗装路面を破壊して、車がスピードを出して走れない状態にしたのだと分かりました。

 そうすれば橋の上で自爆自動車を破壊することが増え、自動車の残骸は、そのまま障害物に転じ、さらに自爆自動車を防止してくれます。

 おそらく、一番大きな橋は攻撃せず、そこは道路を破壊することで、進撃用にとってあるのでしょう。道路は割と簡単に直せます。そういう場所への敵の攻撃が一定程度まで減ったら、工兵部隊の出番です。

 東岸に達した部隊は西岸に隣接する地域への攻撃を強め、そこで敵を釘付けにしておけばよいでしょう。イスラム国はそこに一定数の兵士を張り付けておくしかありません。それによって、西部を担当する味方を支援できます。西岸にある空港を占領すれば空輸も可能になります。

 かなり迂回しますが、西岸に渡る橋はないわけではありません。もしかすると、フェリーもあるのかも知れません。

 トランプが大統領に就任するまでには、モスルは陥落していると考えてよさそうです。



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