ケニヤが反対勢力報道官を南スーダンへ送還

2016.11.4


 sudantribune.comによれば、南スーダンの反対勢力SPLM-IOは、報道官ジェームズ・ギャトデッド・ダク(James Gatdet Dak)がケニヤの首都ナイロビ(Nairobi)で逮捕された後、行方不明になったといいました。

 「SPLM-IOのオフィスは遺憾ながら、SPLM/A-IOの議長・最高指揮官オフィスの公式報道官ジェームズ・ギャトデッド・ダクの失踪を発表します」とSPLM-IOの副報道官ディクソン・ギャトラク・ジョック(Dickson Gatluak Jock)は声明で言いました。

 「ジェームズ・ギャトデッドは、ケニヤのナイロビの彼の家に来た制服を着た正体不明のガンマンによって午後4時頃に誘拐されました。彼を捕まえた後、彼の所在は現在まで不明です」と声明は付け加えました。

 昨夜からのダクを捕捉する「Sudan Tribune」の試みは、彼の電話が着られているために成功しませんでした。

 SPLM-IOはダクの誘拐に関与したとして南スーダンの保安局を非難し、ケニヤ当局に彼が解放されるように介入するよう要請しました。

 反対勢力報道官は火曜日、フェイスブックの声明で、国連事務総長がUNMISS指揮官の地位からモゴア・キマニ・オンディエキ中将(Lieutenant General Johnson Mogoa Kimani Ondieki)を更迭したことを歓迎する声明を出しました。

 sudantribune.comによれば、ケニヤ政府は南スーダン当局との協力の下、二カ国間の関係の新しい変動において、反対勢力報道官を首都ジュバ(Juba)へ国外退去させました。

 親族は木曜日、ジェームズ・ギャトデッド・ダクは、ケニヤ特殊サービスと南スーダンが計画した作戦とみられるものにより水曜日午後に捉えられ、彼の家族と親族数名と話すことを許された空港へ連れて行かれました。

 ダクの誘拐の動機は不明で推論のままです。

 一部の者はケニヤ出身の南スーダン国連派遣団指揮官の解任を歓迎する声明が原因と考えます。

 他の者たち(その内の数名は政府の高官の一部)は、南スーダン政府がダクの強制退去を画策したと非難しました。

 「これは共同作戦です。大統領と第一副大統領のオフィスは、この作戦を実行するためにケニヤ政府に金を払いました。彼らはレイク・マシャル(Riek Machar)が報道官を通じて世界に話す機会を与えないようにするために、ジェームズ・ギャトデットを南スーダンに追放することを望みました。これはタバン・デン・ガイ(Taban Deng Gai)が使った戦略です。現在、ジェームズ・ギャトデットはここにいます。彼らは今日の午後連れてきました。私はブルーハウス(政治犯専門の拘留施設)で彼を見ました」と高官筋は言いました。

 ある親族は別に「私の兄弟はジュバに連れてこられたようだ」と言いました。

 ケニヤや南スーダン政府からの公式声明はありませんでした。外務省と大統領オフィス当局はコメントを拒否しました。

 アジスアベバのSPLM-IO当局者は、ギャトデットは木曜日の午後にジュバに空輸されたと言いました。

 昨日から、ギャトデッドはジュバへの強制退去を待って、ジョモ・ケニヤッタ空港(Jomo Kenyatta Airport)に留まっていました。

 強制退去はレイク・マシャルが、その日それよりも早くに、水曜日に逮捕された彼の報道官を自由にするためにケニヤの当局者と接触を確立した数時間後でした。

 それよりも早く、ケニヤ政府がダクの移動する準備をしたので、マシャルはUNHCR当局にも接触しました。ダクはアメリカ国民でもあります。

 反対勢力当局のアズマン・カママ(Asman Kamama)によれば、あるケニヤ国会議員は、南スーダン政府が報道官の逮捕と強制退去に100万ドルを払ったと信じています。

 支払いはケニヤに住む他の反対勢力メンバーも探して捉えることになっています。

 反対勢力当局は、ダクは南スーダン政府の手で、殺されるか、起訴されるか、その他の形の虐待を受けさせられる可能性があるといいます。


 記事は一部を紹介しました。

 とんでもない展開になりました。

 フェイスブックで、平和維持軍指揮官解任に対するケニヤの反応は子供っぽいと書いたのですが、実体はそれ以上のものでした。

 これがアフリカ流のやり方なのでしょう。

 たとえ、国連の仕事でも、面白くないときは、それ相応の報復を講じるということです。

 オンディエキ中将の解任は、彼に直接的な責任がある訳ではないものの、職務上の責任を果たすためには必要なことでした。

 それを真に受けたケニヤ政府が、最悪の方法で報復に出たのです。

 これまで激しい言葉で南スーダン政府を非難してきたダク報道官を拉致して、敵の手に渡したのです。

 ダク報道官の声をまた聞くことができる可能性は極めて低いでしょう。最悪の結果しか予想できません。

 こんな裏取引を平然とやってのける連中を相手にしていることを、日本政府は知るべきでしょう。

 国連事務総長の決定に対して、最も和平プロセスに逆行することを彼らはやれるのです。

 そもそも、このニュースがどうして日本でトップで報じられないのでしょうか?。

 マフィア並みの汚い戦いを国家政府が行っていて、日本はお人好しにも、そこへ「支援のため」と称して自衛隊を派遣しています。派遣団で周辺国でないのは、日本と中国だけ。中国はすでに戦死者を出しています。

 稲田防衛大臣は南スーダンに行き、民族衣装をもらって、ダンスを踊り、すっかり騙されて、「現地は平穏でした」といいました。

 いつ自衛隊が南スーダン政府に裏切られるか、分かったものではありません。

 それを示すのが、ダク報道官の拉致です。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.