南スーダン反対勢力が3カ所を占領

2016.11.19


 sudantribune.comによれば、南スーダンの武装反対勢力軍(SPLM-IO)は水曜日、国内の南部と北部の3カ所を激戦の後に占領したと発表しました。

 7月のジュバ(Juba)での戦闘と、SPLM-IO指導者レイク・マシャル(Riek Machar)のタバン・デン・ガイ(Taban Deng Gai)の第一副大統領への指名のあと、2つの交戦中の派閥は国内の異なる地域で戦闘を再開しました。

 声明で、SPLA-IO報道官、ウィリアム・ガジャス・デン(William Gatjiath Deng)は、彼らの戦闘員がコンゴとの国境バジ(Bazi)、中央エクアトリア(Central Equatoria)のモロボ(Morobo・kmzファイルはこちら)、ユニティ州のカルジャク(Kaljak)で政府軍と衝突し、16日に完全な支配を得たといいました。

 デン報道官は、彼らは自己防衛に留まり続けないと付け加え、彼らの立場に対するSPLAの最近についてほのめかしました。

 「我々は、この独裁的で、民族主義的な政権と戦うために過剰な力を用いなければなりません。それが国内で混乱と継続的な好戦者を選んだのですから」と彼はいいました。

 「SPLA-IOは南スーダンのすべての戦線で、常に組織的な大虐殺、人権侵害、国際人道法違反を慎むべきです」と彼は付け加えました。

 停戦に失敗した後、SPLA-IOは11月14日、和平協定の復活と、全土に展開する連絡事務所の復旧を強調し、彼らはジュバで行われる統合軍事停戦委員会(JMEC)参加しないといいました。

 反対勢力当局は、彼らの軍隊がニアルデウ地域周辺(Nhialdiu)で再逮捕した支援団体職員は釈放され、月曜日以降、ベンティーウ(Bentiu)へ移動したともいいました。


 3カ所の内、2カ所の位置が確認できませんが、最近、反対勢力側の進展が報じられていて、政府側が大きな進展を報告しないことが気になります。

 政府側が劣勢なら、いずれ、反対勢力が首都を攻撃しようとするはずです。この時、デン報道官が、反対勢力は国際人道法を守ると宣言していることが展開に大きく関係するでしょう。

 反対勢力は国連施設などを攻撃せず、コラテラルダメージが出る可能性をできるだけ小さくしようとするでしょう。そうすると、国際法に違反する行為は政府軍側により多く発生するかも知れません。

 首都攻防戦が起きれば、駆け付け警護をする範疇を超えた激しい戦いとなります。派遣部隊は基地防衛だけで手がいっぱいで、電話でNGO等の無事を確認するのが関の山となるでしょう。新任務を付与したところで、できるのはその程度です。

 むしろ、基地内に避難を求める民間人への対応を考えておいた方がよいでしょうね。追い返したなんて、恥さらしは止めなければなりません。

 大量虐殺が心配されるときに、軽度の暴動に対する任務を付与するような、状況を無視した判断しかしない日本政府には、実はこれが一番心配です。7月の戦闘勃発時、民間人が自衛隊基地へ避難を求めたことがなかったのか。それにどう対処したのか。私は知りたいと思っています。



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