ジュバ郊外で牛飼い12人が待ち伏せで死亡

2016.10.4


 3日付けのsudantribune.comの記事によると、週末に首都ジュバ(Juba)郊外で、ディンカ・ボル族(Dinka Bor tribe)の牛飼い少なくとも12人が殺されたと当局者は言いました。

 その他8人が週末の攻撃で負傷しました。

 ランドクルーザーが関与した事件は、ジュバの南西に配置された最後の」軍隊から200m未満で起こったと生存者と警察は言いました。

 「イエイ・リバー州(Yei River)のカジョ・ケジ郡(Kajo-Keji )の牛の野営地から戻っていたところでしたが、彼らは待ち伏せされ、車は弾丸を浴びましたと、週末の攻撃で従兄弟を失ったデビッド・マメル(David Mamer)は言いました。

 マメルは遺体は事件の1時間後に親族によって森から回収されたと言いました。

 「遺体の大半は頭部に銃弾を受けており、運転手が車を放棄したときに犠牲者たちが近距離から討たれた徴候です」と彼は付け加えました。

 犠牲者の大半はジョングレイ州(Jonglei)のボル郡(Bor)の出身でした。

 ジュバと隣接する街の間の幹線道路上での攻撃はよくあることですが、週末に目撃されたような街の近くではありません。

 目撃者たちは、攻撃者たちはヌエル族の方言で話したと言いました。この主張は確認できていません。

 夫を殺されたある女性は、盗んだ電話を使って彼女に電話し、嘲ったガンマンと疑われる一人について言いました。

 「彼は私に『我々はお前の夫を殺したから、お前はかわりの男を探さなければならない』と言いました」と彼女は涙ながらに言いました。

 警察は攻撃の動機を特定し、容疑者に報いを受けさせるために、容疑者を調査は進行中だと言いました。

 「我々は事件を聞き、まだ調査をしているところです」と警察の報道官、ダニエル・ジャスティン・ボウラ准将(Brig. Gen. Daniel Justin Boula)は言い、この攻撃でこれまでに容疑者は逮捕されていないと付け加えました。

 この攻撃はソーシャルメディア上で、戦時下の国で法の支配を維持する政府の能力を疑い、批判を巻き起こしました。


 政府軍の目の前で待ち伏せ攻撃があったのに、何の対処も出来ず、遺体を1時間後に回収するだけで、犯人たちはかき消えてしまったということです。何という大胆な攻撃でしょうか。

 これがヌエル族によるディンカ族を狙った攻撃だとすると、犯人はやって来た車に乗っている者がディンカ族と分かっていたことになります。ディンカ族なら誰でもよかったのか、特定の者を狙ったのかが気になります。

 頭部に銃弾があったということは、犠牲者たちは拘束され、それから処刑スタイルで殺されたことになります。拘束した段階で、ディンカ族と確認したのかも知れません。

 軍隊の警護の外縁部で事件を起こすことで、ディンカ族の支配へ疑問を持たせる意図があったのかも知れません。

 自衛隊の駆けつけ警護は、国連とNGOが保護対象で地元民は守りませんが、出動するのはこういう攻撃があった場合です。武装反対勢力が似たような状況で国際機構を攻撃する可能性があります。

 この場合の駆けつけ警護では、ブッシュの中で敵を周りから押していくように狩る訳で、敵味方の判別がむずかしい状況です。守るべき対象者や友軍を攻撃してしまう可能性があります。攻撃しながら、別部隊を敵の側面へ回り込ませ、両方から攻撃することで優勢を保ち、殲滅するか退却させます。

 駆けつけたときには敵は去った後で、死傷者を回収するだけという場合もあり得ます。派遣部隊の医療体制がお寒いのは、先日、衆議院予算委員会で、民進党の辻元清美氏が指摘したとおりですが、それは犠牲者たちへの医療についてもいえるわけです。負傷者は搬送中に死亡する危険性が高いといえます。これは数十年前の日本の救急体制でみられた欠点で、過去に逆戻りしているとしか思えません。

 駆けつけ警護に賛成の人たちの意見をみると、実施することが大事であり、その中身を心配している様子が見られません。


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