キール大統領死亡説に自作自演の疑い

2016.10.13


 sudantribune.comによれば、12日、南スーダン政府は首都ジュバ(Juba)で政治家、軍将校、部族指導者のグループによるサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)から権力を奪う陰謀があったという報告をデタラメな噂として否定しました。

 声明は首都ジュバで、過去2日間を超えて、キール大統領が死にかけていて、政治家と軍上級指揮官の間に彼が死んだら誰が跡を継ぐかで権力闘争があるというデタラメな噂がうまく流された後にありました。

 マイケル・マクエイ・ルース情報大臣(Information Minister Michael Makuei Lueth)は、レイク・マシャル(Riek Machar)、エクアトリア地域の政治家、ジュバのヌエル族メンバーが組織したクーデター未遂があったという噂を否定した水曜日の記者会見を招集しました。

 「これらすべては、荒廃を引き起こし、ジュバの人々に恐怖を吹き込むために作られたデタラメな噂であり、今度こそジュバで状況が悪くなると主張し、人々はジュバを去るよう助言されています」とルースは記者に、国営南スーダン放送協会(SSBC)で生放送もされた記者会見で言いました。

 「(それに)似たものはありません。混乱を引き起こすために一部の人たちが作り出しただけです」と彼は言いました。

 彼は首都で、主にディンカ族のキール大統領派の乗客の、先週正体不明のガンマンの銃口が止めたと彼がいう商用車両の車列が移動する間に狙われた道路脇の待ち伏せに関連した進行中の殺人があるとの記事も否定しました。

 大臣はキール大統領がジュバで死んだとの噂も否定しました。

 彼は続けました。「誰も殺されていませんし、何らかの殺人があるとすれば、法で裁かれるでしょ。我々がそれらの罪人を逮捕するとき、我々は彼らを規則に問い、彼らは責任を負うでしょう」。

 キール大統領を権力から排除する計画と彼の死についての情報筋は不明のままです。

 オブザーバーは、報道官が否定するまで、大統領が死んだとの主張がソーシャルメディア上で流布されたといいます。

 彼は主張の源をあげませんでした。

 評論家と政治アナリストは、ストーリーは経済危機によって増した主要幹線道路上で危険な状態が増えたことについて大衆の抗議を逸らすために、政府当局者の一部によって作られたと強調したがっています。

 「彼らは彼ら自身のストーリーを作り上げ、彼らが否定するために公表したのです」と、2つの主張に対してコメントを求められたとき、名前が出ることを望まなかった政治アナリストは水曜日に言いました。

 「私は何であれ、いたるところで何らかの主張が出回っている時に、情報大臣が記者会見を招集したことに驚きます。私は主要なニュースソースをチェックしましたが、(それを)手に入れられませんでした。手に入ったのは、アテニー・ウェク・アテニー大統領報道官(Ateny Wek Ateny)が記者の間で広めたということです。彼はいかなる情報筋も引用しませんでした。主張を否定した声明の情報源は彼自身で、彼が否定した主張の情報源はなにもありませんでした」と彼は疑問を呈しました。

 「クーデター計画のストーリーももう一つの作られたストーリーでした。すべての意図は、政府からの保護を求める大衆の注意を逸らすことです。彼ら(政府当局者)はそういう恐ろしいストーリーを言わないならば、大衆が大衆を保護することで彼らが無能だと抗議するかも知れないことを恐れています」と彼は言いました。


 先の記事の中に、デマを発信した人物の氏名や、逮捕されたかどうかが示されていなかったのが気になりましたが、国外にいる人かも知れないと考えていました。

 しかし、アテニー情報大臣が情報源を示さなかったと分かった時点で、自作自演を確信しました。呆れたものです。一国の政府がこんな低レベルのデマを流すとは。

 独立後2度のクーデター事件もキール大統領派の自作自演を疑いますが、さらに嘘を課されたことになります。もはや嘘つき政権と断定してよいレベルです。この連中を信じて、自衛隊を派遣したままにすべきではありません。



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