イエメンでサウジ軍用機がイラン大使館を攻撃?

2016.1.8


 alarabiya.netによれば、イエメンで戦うサウジアラビアが主導する同盟国は、同盟国のジェット機が水曜日の夜にサナア(Sanaa)にあるイラン大使館を狙ったとのイランの訴えを否定したと、アーメド・アシリ准将(Brigadier General Ahmed Asseri)は言いました。

 調査は訴えが誤りで、大使館周辺やその近くで行われた作戦はないことを見出したと同盟の声明は言いました。イランは木曜日、サウジアラビアの軍用機がイエメンの首都、サナアでイラン大使館を攻撃したと言いました。

 同盟国のジェット機は水曜日の夜、サウジアラビアを攻撃するフーシ(Houthi)の民兵が使うミサイルランチャーを狙うためにサナアで激しい攻撃を行ったとアシリ准将は言い、グループが放棄された大使館を含めて民間人の施設を使うと付け加えました。アシリ准将は同盟国はすべての国に外交使節団の位置の座標を提供するよう要請しており、この訴えはフーシが提供した情報に基づいた訴えには信頼性がないと言いました。

 alarabiya.netによれば、サウジアラビアの王子モハメッド・ビン・サルマン(Deputy Crown Prince Mohammed bin Salman)は、サウジとイランの戦争はカタストロフの始まりであり、許容できないとイギリスの「The Economist」に木曜日に言いました。「それは我々がまったく予見しないものであり、それを先へ進めようとする者は誰であれ、正しい心を持たない者です」「それは世界中で非常に強く反響するでしょう。間違いなく我々はそうしたことをまったく許しません」。


 記事は必要なところだけ紹介しました。

 昨日報じられたBBCの記事では、爆撃は大使館から700mの位置だったとか、破片や石を大使館の近くに飛ばしたと書かれていたのですが、今見るとそこは削除されていました。ネット上の記事は予告なく変更される場合があります。おそらく、爆撃は700mよりもさらに離れていたことが分かったので修正したのでしょう。ということで、イランの主張はさらに疑わしいことが推測できます。よって、これは戦争などにはなりません。

 昨日、この攻撃にクラスター爆弾が使われたのではないかとの質問を受けたのですが、ミサイルランチャーを攻撃するのにクラスター爆弾は威力の点で劣りすぎます。移動式のミサイルランチャーなら誘導型ミサイルで攻撃するのが最前ですし、サウジアラビアにはその能力があります。

 この爆撃でイランとサウジが戦争になるなどというデマが流れるかもしれませんので、ご注意を。

 


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