また復員軍人援護局が記録上でミス

2015.9.7


 military.comによれば、復員軍人援護局の監察官報告によると、300,000人以上の米軍の退役軍人が医療サービスを受ける前に死亡し、約2倍が依然として医療サービスを待っています。

 監察官報告は「登録データに関する深刻な問題は正確にどれだけの退役軍人が同局の医療サービスを求めることに真剣か、真剣だったかを正確に特定することは不可能だといいます。たとえば、データの限界は調査官が何人の死亡した退役軍人が医療サービスの恩典を申し込んだかやその時期を特定するのを妨げます。

 しかし調査結果は昨年最初に浮上した、彼らの申込みが同局が徹底調査に苦労したシステムの中で埋もれたため、多くの退役軍人が医療サービスを待っている間に死亡したという報告を確認したように思われます。いくつかの申込みは約20年前に遡ると報告書はいいます。

 報告は記録管理そのものの深刻な問題に言及します。昨年の時点で保留にリストされた申込みの半分以上は出願日がなく、調査官はどれだけの記録が医療サービスに登録するための実際の申込みに関係しているか確実に特定できないと報告書はいいます。

 報告書は同局の職員が誤って未処理の医療サービスへの申込みを記録したともいいます。過去5年間にわたり10,000件以上の電子的トランザクションを削除し、またしたかもしれないといいます。

 同局の監察官代理、リンダ・ハリデー(Linda Halliday)は、同局の健康資格センターが、データの作成とメンテナンスを確実にするための作業経過を効果的に管理せず、同局の記録の正確性と有用性を向上させるために複数年の計画を勧告しました。

 ハリデーの報告は告発者が200,000人以上の退役軍人が同局への申込みが未完了のまま死亡したようだと述べたことに応じて出されました。


 記事は一部を紹介しました。前半だけを中心に訳しています。

 これまで何度も問題を起こし、退役軍人の医療に失敗してきた復員軍人援護局(退役軍人省とも書かれます)が、またしてもひどいミスをしていたことが明らかになりました。

 この種のトラブルはこれまで何度も紹介してきました。

 映画『7月4日に生まれて』でも描かれましたが、傷痍軍人の医療は本当にお粗末です。それはほとんどアメリカの伝統といってよいくらいです。

 なぜこうもミスが繰り返されるのかは本当に疑問です。そして、これは人々が愛国心を叫び、兵士を尊敬するのと真逆の行為であることは不思議でなりません。自分たちの代わりに敵と戦ってくれた傷痍軍人はもっと手厚く保護されるべきのはずです。それが伝統的に劣悪なのです。

 単に人々がずるく、自分が愛国者だと思い込みたがり、その反面で傷痍軍人の医療に無関心だとしか、その理由を理解することはできません。

 日本でも同じようなことが行われています。第2次世界大戦中、外国で死亡した日本兵の遺骨は多くが回収されていません。万歳を叫んで送り出しておいて、死体になると冷たい扱いが当たり前なのです。

 人々のモラルは精々こんなものと思うしかないのかも知れません。

 


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