トルコ軍機がシリア領内のイスラム国を空爆

2015.7.25


 alarabiya.netによれば、トルコ軍機が金曜早くにシリア領内最大14kmのイスラム国支配地域3カ所を爆撃したと通信社「Anatolia」が報じました。

 シリアの人権団体は空爆がイスラム国戦闘員9人を殺したと言いました。

 公式声明は、イスラム国が会議場として使う3階建ての建物がシリア領域内14kmエル・タビエ地域(El Tabiye)で攻撃されたといいました。イスラム国の司令部がシリア領内11.5kmのエル・ザヒリエ地区(El Zahiriye)で攻撃されました。同様の建物がシリア領内4kmのブルギ(Burgi)で攻撃されました。

 爆弾が攻撃目標を見つけるため統合直接攻撃弾(JDAM)誘導システムが使われました。

 この日早く、TRTテレビは軍用ジェット機4機がトルコ南東部のディヤルバクル空軍基地(Diyarbakir air base・kmzファイルはこちら)から離陸し、シリアのハバル村(Havar)でイスラム国の目標を攻撃したと報じました。この村はトルコのキリス州(Kilis)から国境線を越えたところにあり、TRTは航空機はシリア空域を侵害しなかったといいました。

 NTVテレビは少なくとも3回の爆発音がキリスで聞こえたと報じました。

 一方、トルコ政府当局者は金曜日早くにF-16がディヤルバクル空軍基地から離陸し、キリス州の国境を越えたイスラム国の目標3カ所を攻撃するためにスマート爆弾を用いたといいました。匿名で話した当局者は、目標は司令センター2カ所とイスラム国支持者の集結地だったといいました。

 Hurriyet紙は前日のイスラム国の攻撃に対する報復のための航空作戦であり、名前は「ヤルシン作戦(Operation Yalcin)」でした。「ヤルシン」は攻撃で殺された下士官の名前です。


 記事は一部を紹介しました。

 攻撃した場所が正確に分かりませんが、先日の攻撃があった場所の近くのようです。これはイスラム国による攻撃への報復という攻撃の目的をイスラム国に伝えるためであり、妥当といえます。

 これでトルコは対イスラム国同盟の中に入ってくると考えてよさそうです。まだ半信半疑の部分もあります。今後、トルコが国内でシリアへ行く準備をしているイスラム国戦闘員をどれくらい摘発するかも見ていく必要があります。

 


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