米軍がトランスジェンダー問題へも対処中

2015.7.14


 military.comによると、米高官は米国防総省は軍隊内のトランス・ジェンダーの隊員の禁止を解くことを目的とする最終的計画を立てていると言いました。計画は軍役における最後の性を基板とした障壁の一つを公式に終わらせることを目標としています。

 今週、発表が行われると予想され、軍は変更の影響を評価し、詳細を調整するために半年かけると当局者は月曜日に言いました。軍は法的、医学的、管理上の問題、転換を容易にするための訓練の開発を通じて組織的に動くことを望んでおり、高官は半年は十分な時間だと考えています。

 アシュ・カーター国防長官はブラッド・カーソン人事担当次官(Brad Carson)に問題を監督する軍高官と民間人指導者のワークグループを設置するよう要請しました。ある高官は目的は禁止の解除ですが、カーター長官はワークグループに、コストと準備への影響や計画を狂わせる克服しがたい問題を生むかを判断することを含め実質的な結果を監督するよう望んでいると言いました。グループは統一されたガイドラインも開発します。

 半年の間、トランス・ジェンダーの隊員はまだ軍に加わることはできませんが、すでに入隊している者たちを除隊させる決定は国防総省の人事担当次官に一任されます。ある高官は目標はこの期間中にトランス・ジェンダーの隊員を除隊させることを避けることだと言いました。当局者は公言する許可がなく、匿名で話しました。

 トランス・ジェンダーの人たちは、生まれながらのとは異なる性を持ち、しばしばホルモン治療や望ましい性の身体的特徴を持つため手術を受け、軍役を禁じられています。しかし、研究とその他の調査は約15,000人のトランス・ジェンダーの人たちが現役と退役の両方にいると見積もられ、多くは秘密でありながら、多くの場合は指揮下や同僚に知られています。

 トランス・ジェンダーの問題は国家機密を漏洩したチェルシー・マニング受刑囚(Chelsea Manning)が服役中にホルモン療法とその他の治療を要求したことに軍が対処する時に明るみに出ました。

 ブラッドレー・マニング(Bradley Manning)として逮捕されたマニングはそうした治療を要求し、陸軍が訴訟の圧力の下でホルモン療法を承認した最初のトランス・ジェンダーの軍刑務所の囚人です。マニングは35年の禁固刑を服役中です。


 記事は一部を紹介しました。

 トランス・ジェンダーは同性愛者とは別で、自分が認識する性が身体上の性と一致しない人たちのことで、米軍が解禁した同性愛者への軍務解禁の対象外でした。それについても米軍は取り組みを開始したということです。

 そのきっかけがマニングの一件だったとは驚きです。彼が女性宣言したことは以前に紹介していました(過去の記事はこちら)。米最高裁は同性婚を合法としましたが、その流れでトランス・ジェンダーについても差別をなくすべきとの意見が軍隊内で出たのでしょう。これまで米軍は人種など、あらゆる差別をなくすべく努力してきました。隊員による人種差別が公になると必ず裁判にかけられています。それは軍の価値観に対する大きな侵害であるためです。

 日本でも同性愛者やトランス・ジェンダーなど性同一性に関連する人たちは数パーセント存在するといいます。自衛隊にもいるはずですが、そもそも議論のひな壇に乗ったことすらありません。完全に放置している状態です。そんな問題に取り組んだら自衛隊が誤解されると思っているのかも知れませんが、自衛隊高官の放言に比べたら意義ある活動でしょう。

 


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