米海軍が女性下士官にも潜水艦乗船へ

2015.6.24


 military.comによれば、米海軍は史上初めて潜水艦に搭乗する女性下士官を3ダース以上選抜しました。

 合計38人の女性がワシントン州バンゴー市(Bangor)に拠点を置くオハイオ級誘導ミサイル潜水艦「ミシガン(USS Michigan)」の乗員となるための出願を通過しました。隊員には兵曹長4人とE-6(一等兵曹)とその下の2階級の34の持ち場が含まれます。

 女性にもっと軍の仕事を平等にせよとの政治家と国防総省指導者達からの圧力の下で、海軍は2011年に女性将校を潜水艦に乗務させ始めました。現在、艦船7隻と14のグループで100人以上の女性がこうした仕事に配属されています。

 任務の平等化には議論がありました。男性隊員数名が昨年、弾道核ミサイル潜水艦「ワイオミング(USS Wyoming)」に乗船中にシャワーを浴びる女性潜水艦乗組員をビデオ撮影して起訴されました。1年間にわたって撮影、配布されたビデオ映像には女性将校がシャワーを浴びるところが写っていました。海軍犯罪調査部は事件を捜査し続けています。目下のところ、少なくとも隊員4人がこの事件で有罪を認め、禁固2年程度となりました。隊員1人は無罪となり、2件以上が未決のままです。


 記事は一部を紹介しました。時間の都合で、記事の前半のみを紹介しました。

 いよいよ女性下士官も潜水艦に乗船するということです。米軍は次々と女性にも門戸を拡げています。軍の文化の変化を観察するという点で、この転回点を記憶しておく必要があります。

 それにしても、女性将校のシャワー姿を隠しカメラで撮影するとはエリートといわれる潜水艦乗員のレベルも知れたものだと感じさせられます。権威を守るべき将校の立場を壊す、海軍の価値観に合わない行為です。盗撮で軍刑務所に行ったなんて、恥ずかしくて人に言えない話です。

 女性搭乗員が増えることで、こういう犯罪が増えるのか減るのかが気になるところです。

 ところで、バンゴー海軍基地は以前に反戦運動家の老人達が侵入した事件で紹介しました(過去の記事はこちら  基地のkmzファイルはこちら)。ここは米海軍の原潜の故郷のような場所です。外洋から入り込めない場所に原潜の基地を建設できるのは、アメリカのような広大な土地がなくては不可能です。

 


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