カーター国防長官がイラク軍の意志を疑問視

2015.5.25


 alarabiya.netによれば、アシュトン・カーター国防長官(Defense Secretary Ash Carter)は日曜日、イラク軍は1週間前のラマディ(Ramadi)陥落の時、イスラム国と戦う意志を見せず、米軍は彼らがより直接交戦するよう奨励しようとしていると言いました。

 「イラク軍は単に戦う意志を示しませんでした」とカーター長官はCNNのテレビ番組で言いました。「彼らは対抗軍よりずっと多勢だったのに、持ち場から撤退しました」。彼は今のところアメリカは空爆を提供し続け、イラク軍に訓練と装備を与えていますが、ワシントンは状況を緊密に見ていると言いました。

 「空爆は効果的ですが、それらや我々ができることはイラク人が戦おうとする意志の代わりにはなりません。彼らはイスラム国を攻撃し、攻撃し続けなければならない者の一つです」。

 彼は今のところワシントンのイラクへの支援において、米軍はいかなる変更も勧告していないと言いました。イラクに米地上軍を置けという共和党議員からの高まる要請について尋ねられると長官は「イラク軍に提供しているものに変更の必要が生じたら、我々は勧告を行うでしょう」と言いました。

 「the Center for a New American Security」の最高責任者ミシェル・フルールノア(Michele Flournoy)はCNNに、ワシントンはイラク軍よりもずっと戦う政治的な意志を持つイラク西部のスンニ派により多くの資源を提供するようイラク政府に圧力を加える必要があると言いました。フルールノアはカーター長官のコメントを歓迎しました。「私の考えでは、今はその時です」。


 記事は一部を紹介しました。

 これでラマディ陥落の概要がつかめた感じがします。一部の武器を置いたまま逃げたことも含めて、戦術的な撤退と言い切れるかは疑問だということです。

 攻撃を受けた婆、防戦に徹しながら、空爆を活用してイスラム国の攻撃を止め、最終的に反撃に転じるというのが戦闘の骨子です。それをすることなく、すばやく撤退したのです。これは部隊に士気がなく、命令しても兵士が動かないと指揮官が信じているために起きることです。

 先日、イスラム国がカリディヤ(Khalidiyah)の街を占領したかどうかが問題だと書きました(過去の記事はこちら)。別の記事によるとイスラム国はその西のフサイバ(Husaybah)まで前進しただけのようです。これなら十分に反撃が可能です。

 ここはシーア派部隊に頼るしかなさそうです。毎度、イラク軍のだらしなさには呆れてしまいます。

 


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