シリア政府がヤルモク・キャンプの奪還を示唆

2015.4.9


 alarabiya.netによれば、シリアのアリ・ハイダル調停大臣(Ali Haidar)は、ヤルモク難民キャンプからイスラム国を出すためには軍事作戦が必要だと言いました。

 「最優先事項は民兵とテロリストをキャンプから追い出し、打ち破ることです。現在の状況では、軍事的解決が必要です」と大臣は言いました。

 彼はヤルモク・キャンプの状況に関して緊急会談をするためにヨルダン西岸地区を訪問したパレスチナ解放機構のアーメド・マジダラニ(Ahmed Majdalani)との会合の後でコメントしました。

 ハイダル大臣は軍事作戦がいつ始まるかや、どのように行われるかを説明しませんでしたが、シリア軍が関与することを示唆しました。シリア兵が作戦に参加するかどうかを訪ねられると、彼は「シリアは戦いがそれを必要とするかどうかを決定するでしょう」と言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 シリア政府が難民を助けるために軍事作戦を考えているのではなく、政府派の国民が動揺することを防ぐために、キャンプを奪還しようということです。 多分、西欧からキャンプを救済するよう圧力があったわけではないでしょう。イスラム国を追い出すことだけが目的です。

 しかし、キャンプへのアクセスが可能になったら、支援団体がそれをシリア政府に要請するので、作戦終了後は支援が容易になるはずです。

 反政府派が先に動くのか、そういう余裕が反政府派にあるのかなどは不明です。しかし、反政府派はここで動いて、存在を示したいでしょう。なにしろ具体的な勢力分布の情報がほとんどないので、予測がつきません。

 いずれにしても、近いうちに動きがあるはずです。そうでなければ、長くイスラム国がここに居座ることになります。

 


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