ヤルモク難民キャンプから住民多数が退避

2015.4.6


 alarabiya.netによれば、日曜日、ヤルモク難民キャンプ(Yarmouk)の住人数百人が政府軍の砲撃とイスラム国とパレスチナ民兵の戦闘を避けて退避しました。

 ダマスカス南部地区の活動家、ハテム・アル・デマシキ(Hatem al-Dimashqi)は、住人多数が戦闘が止んだ深夜過ぎから避難を始めたと言いました。キャンプは政府軍の砲撃と空爆にさらされています。

 人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」とデマシキは、キャンプから避難した人たちは反政府派の支配地域であるダマスカス南郊外のヤルダ(Yalda)、バビラ(Babila)、バイト・サエム(Beit Sahem)に到着したと言いました。

 デマシキとシリア国営テレビは約2,000人がキャンプを去ったと言いました。活動家はキャンプから待避した人の多くは学校や廃屋に住んでいると言いました。

 アル・ヌスラ戦線(The Nusra Front)は日曜日に声明で、戦いには参加しておらず、中立の立場をとっていると言いました。声明は彼らが事務所を開き、戦いに参加したくない者を歓迎し、難民として扱うと付け加えました。

 人権団体は戦闘が始まってから26人が戦闘で死んだと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 難民がさらに住み場所を追われるという悲劇は、もっと世界が知って、対処しなければならないと思うのですが、日本では大して報じられないし、政治家も何のメッセージを発信しません。よその話だから関係ないという、いつものパターンです。

 アル・ヌスラ戦線が今さら戦闘に参加していないという宣言をしました。しかし、事務所を設けたのは、周辺を自分の領域にしたからで、難民受け入れも自分たちへの支持を増やすための方策です。攻撃しておいて保護を与えるという悪い支配者の典型パターンです。

 アルカイダだけでなく、この付近にいる政府軍と反政府派の勢力関係がまったく分かりません。そこが心配です。気が付いたらアルカイダ優勢ということは考えにくいとは思っています。

 忙しいのは一段落したので、少し情報を整理したいと思っています。

 


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