イドリブ南の軍基地をアルカイダが占領

2015.4.4


 alarabiya.netによれば、アルカイダと同盟グループの戦闘員は金曜日に、シリアのイドリブ州の政府軍基地へ前進しました。

 この前進は土曜日にアル・ヌスラ戦線(Al-Nusra Front)が州都イドリブ(Idlib・kmzファイルはこちら)へ前進したのに続きました。

 「激戦が木曜日の夜以降、マストマ基地(the Mastuma base・kmzファイルはこちら)周辺でアル・ヌスラ戦線と同盟グループとの戦闘が続いています」と人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は言いました。

 基地はイドリブから7km南にあり、この州で最大の政府軍基地だと、人権団体の理事、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdul Rahman)は言いました。イドリブを奪還しようとするかもしれない政府軍の増援が到着していた反政府グループは基地に対する防御的な攻撃を開始したと、彼は言いました。

 イドリブ市が陥落したことで、政府軍は州内で、アブ・ズフール軍空港(the Abu Duhur military airport・kmzファイルはこちら)と軍基地5カ所に加え、町2カ所と少数の地区を支配するだけです。


 記事は一部を紹介しました。

 マストマ基地を奪ったのは正しい戦略です。ここをほっておくと、いずれ政府軍が来て、イドリブ市奪還の拠点として使うのは明白です。イスラム国よりはセンスがよいという感じです。

 シリア中部をアルカイダ系グループが占領するのは、自由シリア軍への攻撃をアルカイダが受け止めてくれるので都合がよいとはいえますが、彼らが大きくなりすぎるのも困り、最終的に自由シリア軍がダマスカスへ向かう障害となるかもしれません。

 もはやシリア内戦はバランスの問題で、自由シリア軍、アルカイダ、イスラム国、シリア政府の決定打を持ち合わせない四者が泥沼の戦いを演じています。最終的に、中部にいるアルカイダは邪魔になるとしても、現在の状況では政府軍を牽制してくれるのは悪くないのかもしれません。

 


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