写真に見るクルド軍の戦果と戦争の真実

2015.2.2


 ツィッターに掲載されたペシュ・メルガ軍のアカウントから、クルド軍とイスラム国の戦いについてまとめてみました。

 なお、以下の記事は先に行くに従って、残酷な写真が増えていきますので、そういう写真を見たくない人は読まないでください。

 最初はクルド人が書いた風刺漫画を紹介します。ここには残酷な描写はありません。 写真は右クリックで拡大できます。

城壁にはクルド人の遅配地域の名前が書いてあり、その手前でネズミの姿をしたイスラム国兵士が死んでいます。戦争では敵を非人格化します。クルド軍はイスラム国の兵士を「ネズミ」か「ブタ」と呼んでいます。害獣や家畜なら殺すのに良心の呵責は必要がありません。実はこれが敵兵に対する残虐行為が行われる原因でもあります。
ブタの姿をしたイスラム国兵士がクルド軍兵士を処刑しようとしている姿です。ここでも敵兵の非人格化が行われています。

 クルド人はイラク政府から自治を認められていますが、今でもアメリカと欧州連合からはテロ組織と認定されています。日本の公安調査庁もホームページでテロ組織として紹介しています(ホームページはこちら)。ところが、イスラム国の脅威が問題視されると、対抗勢力としての価値があがり、現在は武器提供も受けています。下はそれらの写真です。アメリカやヨーロッパの兵器が給与されていることが分かります。いずれもイスラム国のような小火器が多い敵と戦うには有力なものばかりです。

 テロ組織と言っても、クルド軍はほとんど軍隊と言ってよい組織です。ここはイスラム国とは大いに違います。彼らは軍旗の下に結束し、隊列を組んで歩けるのです。また、捕虜には食糧を与えます(右下)。

 しかし、クルド軍には望ましくない部分もあります。それは戦果を宣伝するために、敵兵の死体の写真も多数公表していることです。これは普通の軍隊ではやらないことです。今後、クルド人が国際的な認知を得る過程で、こうした行動は止めなければなりません。しかし、こうした写真から、戦争の実態が分かるのも事実なのです。以下は衝撃的な写真が含まれます。閲覧にはご注意ください。

 下の3枚は特に問題がないと思われる写真です。凄惨かも知れませんが、合法的な戦闘行為の結果と思われます。左上の写真は殺害した敵兵から武器を取り、死体を並べて数を確認しているところです。右上は焼け出されて、着衣に火がついて焼死したと思われるイスラム国兵士を示します。左下の写真は土盛りを防御拠点にして抵抗したイスラム国兵士が銃撃戦で全滅したところと考えられます。

 

 しかし、中には記念写真や死体に手を加えたかのような写真もかなりあるのです。左上の写真は兵士が死体の横でVサインをしています。右中の写真も記念写真として撮影されています。右上の写真は兵士が死体を足蹴にしています。一番奇妙なのは左中の写真です。ズボンとパンツが下がった状態なのは、おそらく、腰の弾痕を見せるために、クルド兵がやったものと考えられます。一番下の写真は死体が靴をくわえたように操作したようです。

 国際人道法(ジュネーブ条約)は戦死者の死体は埋葬するよう求めています。 第2条約第17条を見てみましょう。

 紛争当事国は、死亡を確認すること、死者を識別すること及び報告書の作成を可能にすることを目的として、事情が許す限り各別に行われる死者の土葬又は火葬を行う前に、死体の綿密な検査、できれば医学的検査を行うことを確保しなければならない。複式の識別票の一片又は、単式の識別票の場合には、識別票は、死体に残さなければならない。

  死体をさらしものにしたり、手を加えるような行為は止めなければならないのです。そして、日本はそれを指導できるような国でなければなりません。国際人道法などの知識をもった人を育成して、活動できるようにすべきなのです。

 イスラム国の行為に関する写真も紹介しておきます。左上は右上はイスラム国の自爆車です。タンクローリーを改造して防弾性能を高めてあります。右上は殺害されたヤジディ派の女性。左中はイラクのモスルで同性愛の男性を建物の上から投げ落として殺すところ。右中は銃による処刑。左下はシリアのコバネでイスラム国の支配地域からクルド軍が発見した麻薬です。右下はモスルでエボラ出血熱に感染したために焼かれたイスラム兵7人の1人とされています。

 最後に番外編を紹介します。戦場における失禁と脱糞の実例です。左はイスラム国兵の死体ですが、失禁していることが分かります。右はイスラム国とクルド兵のどちらかは分かりませんが、脱糞しています。戦場ではごく当たり前に、こうした現象が起こるとされています。

 


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