イスラム国が機関誌で日本政府を批判

2015.2.13


 毎日新聞によると、イスラム国のウェブ版英字機関誌「ダビク」の最新号が公開され、「安倍晋三(首相)は『イスラム国』と戦うために2億ドル(約240億円)の資金提供を表明した」などと主張しました。

 主な内容は以下のとおりです。

  • (2億ドルの支援は)イスラム国との戦いに使われるのは明白だ。思慮が浅く、傲慢な判断だ。
  • (支援表明前は)日本の標的としての優先順は低かったが、今や、あらゆる場所で標的になる。
  • 金には困っていないし、日本政府が2億ドルを支払わないことも分かっていた。第二次大戦後、西洋の奴隷になった日本政府に恥をかかせるのが目的だった。
  • 交渉にはヨルダンのイスラム教指導者、アブムハンマド・アルマクディーシ師が仲介役を務めた。
  • ヨルダン政府が(ISに拘束されていた)ヨルダン軍パイロットを交換に含めようとして事態を複雑化させた。

 記事は一部を紹介しました。

 日本政府の事件対応がまずかったことをイスラム国によって裏づけられてしまったようです。

 2億ドルの支援が非軍事分野だという説明がまったく通じていないこと。今後、日本人を攻撃対象に含めること。ヨルダンに対策本部を置いたために、ヨルダン人パイロットの解放が眼目となり、交渉が頓挫したこと。

 ヨルダン人パイロットのことが描かれているのは、イスラム国がサジダ・リシャウィと日本人との交換を真剣に考えていたことを連想させます。金は要らないとも言っていますし、日本政府に恥をかかせるだけなら、人質交換を要求する必要もなく、人質を殺害したでしょう。やはり、彼らにリシャウィ解放の意図があったと見るべきです。

 これまで提出されてきた安倍政権の対応の大半が裏づけられたに等しいといえます。記事はそういう内容なのに、タイトルは「<人質事件>『日本政府に恥辱が目的』…IS機関誌」と、人質殺害が不可避だったかのような表現です。マスコミの政権への遠慮が感じられます。

 


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