シリア反政府派はロシアの航空支援を拒否

2015.12.15


 alarabiya.netによれば、自由シリア軍はロシアが彼らへの空爆を続けており、月曜日のロシアの将軍のコメントを拒絶し、いかなるロシアの航空支援も受けないと言いました。

 別に最近編成された武装グループ(自由シリア軍と自認する者を含む)は、戦闘員はアルカイダ傘下のアル・ヌスラ戦線(Nusra Front)との戦闘の間にロシアの空爆から間接的な利益を得たものの、直接的なロシアの支援は拒否すると言いました。

 このグループは、イスラム国と戦うシリア軍について戦う自由シリア軍の戦闘員を支援するため、ロシア空軍が毎日多数の空爆をシリアで実施していると言ったロシア軍の将軍のコメントに答えました。

 ロシアの通信社はロシア軍のヴァレリー・ゲラーシモフ参謀長(Valery Gerasimov)が多数の自由シリア軍部隊が絶え間なく増加しているとの述べたと報じました。「彼らは武器、弾薬、資材の支援も受けていると」と、彼は金曜日にウラジミール・プーチン大統領(President Vladimir Putin)が述べた声明を繰り返しました。月曜日遅く、プーチン大統領の軍事・技術連携担当顧問ウラジミール・コージン(Vladimir Kozhin)はロシアは自由シリア軍に武器を供給しないと言いました。ゲラーシモフとコージンの意見の矛盾について直ちに説明はありませんでした。

 ロシアは話している自由シリア軍の名前を挙げませんでした。多数のグループは自由シリア軍の一部と自認します。それは中央司令部と統制機構を持ちません。最も強力な自由シリア軍の一部はアメリカから軍事支援を受け取りました。これらのグループは9月30日に始まったアサドを支援して始まった常にロシアの航空作戦の攻撃目標となっており、ロシア政府からいかなる支援を受け取ることを繰り返し拒否しました。

 戦闘員がロシアの空爆から利益を得た同盟はシリア民主軍(the Democratic Forces of Syria)です。このグループはいくつかのアラブ人グループと組織化されたクルド人のYPG民兵を集め、イスラム国と戦うためにアメリカの支援を受けています。

 その派閥の一つ、ジェイシュ・アル・スワル(Jaysh al-Thuwwar)は最近、アレッポ(Aleppo)の北でトルコの支援を受けていると広く知られるイスラム原理主義のアーラー・アル・シャム(Ahrar al-Sham)とレヴァント戦線(Levant Front)を含む武装勢力と一日がかりの戦いに関与しました。戦いの中で、ロシア軍機はシリア民主軍の戦闘員を包囲していたアーラー・アル・シャムとレヴァント戦線の戦闘員を攻撃したと、シリア民主軍の公報、タラル・サル(Talal Salu)は言いました。

 「彼らを狙う機会と思えるほど彼らが何百人と集まっていたのをロシア軍は目撃したのであり、我々との合意を通じてではありませんでした」と彼は言い、彼のグループを批判する者たちがいま、彼らがロシアから支援を受けていると言っていると付け加えました。「人々は彼らが我々に補給支援を提供したと考えるので、シリア民主軍に問題を向けようとしています。ロシアは補給支援を提供しませんでした」「我々とロシア軍の間に接触、合意や協力はありませんでした」。

 シリア西部でロシア軍の空爆に狙われた自由シリア軍のグループの多くは、反政府派の武器で最も強力な兵器、米国製のTOWミサイルを受け取った者たちでした。「今日、ジャバル・アクラッド(Jabal Akrad)にある我々の司令部はロシア軍に爆撃されました。昨日、アレッポの北部の田園地帯に司令部は破壊されました。10人が負傷しました。これがロシアの支援です」と、先週、サウジアラビアが主催したシリア反政府派会合に参加した優勢な自由シリア軍グループの長、ハジ・アリ(Haj Ali)は言いました。「プーチンと彼の将軍は嘘つきどもです」とリワ・スクア・アル・ジャバル(Liwa Suqour al-Jabal)を指揮するアリは言いました。リヤド(Riyadh)の反政府派会合に代表を送った別のグループ、ジェイシュ・アル・ナスル(Jaysh al-Nasr)の公報、モハメッド・ラシード(Mohamed Rasheed)は「これはまったくの偽りです。それどころか、ロシアの軍用機は毎日、我々の司令部を爆撃しています。


 記事は一部を紹介しました。

 自由シリア軍がロシアの空爆を拒否するのは当然なので、特に不思議でもありませんが、その後の空爆の詳細に関する記述は参考になりますね。

 ロシア軍がTOW対戦車ミサイルを持つ自由シリア軍を攻撃するのは、それがシリア軍の戦車にとって最大の脅威だからです。有線誘導ながら射程最大3,750mの誘導ミサイルは戦車にとって脅威です。それを「支援」だというのですから、ロシアにはまったく呆れます。

 ロシアは支援するという自由シリア軍の名前を言いませんが、記者はしっかり調べてあちこちから証言を得ていて、これは大変に助かる情報です。ロシア軍のやり方がよく分かります。

 しかし、この調子で爆撃を続けて、ロシアはどこまで介入するつもりなのかが気になります。勢いよく爆撃すれば、イスラム国が黙ってくれると信じているのでしょうか?。金が尽きるまで爆弾を落とすつもりなのでしょうか?。

 


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