ロシア国防省が年次会議を開催

2015.12.13

 alarabiya.netによれば、ウラジミール・プーチン大統領(President Vladimir Putin)は金曜日、ロシアはイスラム国と戦うシリア軍と共同作戦に参加する自由シリア軍に航空支援、武器、弾薬を提供して支援すると言いました。

 彼の声明はロシア政府が、イスラム国との戦いの中で実際にはバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)を支援していると述べた最初の機会とみられます。プーチン大統領は先月、ロシア空軍が自由シリア軍が提供したテロリストの攻撃目標数カ所を攻撃したと言いました。プーチン大統領は国防省の年次会議で「我々の空軍の仕事はシリア軍と自由シリア軍の活動を統合するのを援助します」と言いました。「5,000人を越えるその部隊のいくつかが、現在、政府軍と共にホムス州(Homs)、ハマ州(Hama)、アレッポ州(Aleppo)、ラッカ州(Raqqa)でテロリストに対する攻勢に従事しています」「我々はそれを、自由シリア軍もそうですが、空から支援します。我々は彼らを武器、弾薬を提供し、資材の支援を与えます」。

 しかし、セルゲイ・ショイグ国防大臣(Defense Minister Sergei Shoigu)はイスラム国のインフラがシリアの国土の70%で増加していると言いました。ショイグ大臣はシリアとイラクにおけるイスラム国の兵数は60,000人で、旧ソ連の中央アジアとコーカサスに暴力の脅威が広がっていると言いました。

 将軍たちにプーチンはトルコに対する不明瞭な警告を発しました。「私は我が軍に対して挑発を行おうとする者たちに警告を望みます」「私はあなた方に極度に毅然としたやり方をするよう命じます。ロシア(軍)や我が地のインフラを脅かすいかなる攻撃目標は直ちに破壊されなければなりません」。

 トルコのメブルト・カブソグル外務大臣(Foreign Minister Mevlut Cavusoglu)は金曜日にロシアに冷静になるように求めましたが、トルコの忍耐にも限界があると言いました。

 alarabiya.netによれば、プーチン大統領は金曜日、ロシアの武器をさらに近代化することを誓約しました。

 ロシア軍高官との会議で「戦略核兵器部隊の戦闘潜在力の強化と宇宙防衛計画の推進を最優先事項に掲げました。

 ロシアの景気失速に関わらず、ショイグ国防大臣はロシア軍が今年、大陸間弾道弾35基を受け取り、来年はその一方で野心的な兵器の近代化計画を前進させると言いました。

 ショイグ大臣はロシアの軍用機がシリアでこれまでに4,000回出撃し、8,000カ所のテロリストの攻撃目標を破壊したと言いました。彼はロシアは軍事行動を支援するために214,000トンの補給品を運び、ホムス州で戦車の修理工場を復旧するのを助けたと付け加えました。工場は現在、フル稼働しています。

 石油価格の低迷、西欧の経済制裁が今年、経済を不況に追いやったにも関わらず、ロシアの野心的な兵器近代化計画は今年、最大規模で進みました。ショイグはロシア軍が今年、大陸間弾道弾35基、航空機243機、対空システム90基、戦車と装甲車両1,172台を受け取ったと言いました。海軍は今年、大陸間弾道弾原子力潜水艦2隻、多目的潜水艦2隻、水上艦8隻を受け取りました。


 記事は一部を紹介しました。

 遂にプーチンが本音を吐きました。シリア軍と共同作戦をするなら自由シリア軍を支援すると言ったのです。攻撃しておいて、従うなら味方をするというわけです。自由シリア軍を懐柔し、シリア軍に編入すれば、ロシアにとって話は簡単になります。

 イスラム国の兵数を60,000人とする見解も重要な数字です。別の記事(記事はこちら)で提示された数字の次に大きい数字です。私は5万人程度ではないかと考えているので、ロシア政府の見積もりはかなり近いといえます。

 トルコに対する警告が割と漠然としていることは、あまりこの件を荒立てたくないというロシアの本音を示しています。外交上は対立を演出し、国民の怒りが冷めるまで毅然とした態度を貫き、国民に不安を起こさせないようにしますが、トルコがさらに攻撃を行わない限りは武力を使う気はありません。事件以降、ロシア軍機はトルコ国境から離れるようになったはずです。トルコはそれで満足しており、さらに攻撃を行うことはありません。

 ロシアの軍事力拡大は止まりません。力を見せつけるしか交渉力を増す方法がないと信じているかのようです。

 


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