シリア反政府派がロシアの空爆の成果を批判

2015.11.24
修正 同日 8:55


 alarabiya.netによれば、イスラム国に対するロシアの空爆はシリアの攻撃目標全体の6%を越えていないと、主要な反政府派のシリア国家連合(the main opposition Syrian National Coalition: SNC)が月曜日にトルコで行われた記者会見で言いました。

 カリド・コージャ(Khaled Khoja)はイスラム国を避けて穏健な反政府派と民間人を攻撃目標にしていると非難しました。彼はロシアがバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)を支援することを優先していると言いました。

 ロシアの空爆の助けを借りて、シリア軍はシリア中部のホムス州(Homs)で月曜日にイスラム国から町と村を奪還できたと、国営メディアと監視団体は言いました。

 また、コージャはアルカイダ傘下のアル・ヌスラ戦線(Al-Nusra Front)にイスラム国とのつながりを公式に切り、破壊とテロリズムの災いの国を終わらせるよう要請しました。「我々はすべての者が本物の革命家としてアサドに対して武器を持ったのを見ていませんし、戦争指導者によって統治される州に変えることを受け入れません。「だから、革命を軌道に戻し、革命的で犯罪行為の間の区別をするためにラベルを貼ることが大事です」。


 記事は一部を紹介しました。

 昨日、ロシア政府がシリア国内にあるイスラム国の基地は34カ所だけと華々しい戦果を発表しました(記事はこちら)。2日前には爆撃したイスラム国の基地は820ヶ所以上だとも言っています。報じたのはロシア系メディアの「スプートニク」です。ここはこれまでも怪しい情報を流しているので、まったく信用できません。

 これが反政府派によれば、たったの6%だけだというのです。一体どちらが信用できるのか?。ロシア軍は96%以上の基地を破壊した計算になります。反政府派が考えるイスラム国の基地の数は不明ですが、ロシア軍の数と同じだとすれば、820ヶ所の6%で49ヶ所です。ロシア軍がロシア軍と反政府派の主張はほぼ逆転していることになります。 この計算は多分不正確でしょうが、まるで主張が食い違っているのは確実です。

 ロシアはアサド大統領を支援するために空爆を行っています。そのための攻撃目標と反政府派が考えるイスラム国の拠点の数が違っていても何の不思議もありません。つまり、統合化した司令部を持たない対テロ連合が戦っているということです。これは極めて非効率的です。今後、統合司令部を設立する動きがなければなりません。

 


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