辺野古問題の進展に関するコメント

2015.11.18


 military.comが沖縄基地問題が法廷闘争になった件を報じ、ジョージタウン大学の政治科学、国際問題教授のマイク・モチヅキ(Mike Mochizuki)のコメントを掲載しました。

 モチヅキ教授は、翁長知事の反基地の態度は、独自の文化を持つ南の島の沖縄住民に、彼らのアイデンティティにさらに自覚させたと言いました。「日本政府が現行の辺野古案を押せば押すほど、抵抗はさらに強くなり、結果的に我々が沖縄の他の重要な施設を維持するのを難しくするほど広がるかも知れません」。


 記事は一部を紹介しました。記事の多くの部分は国内報道でも分かる内容なので省略しました。

 ジョージタウン大学は保守系で安全保障分野でも発言力があるところとの印象が強いですが、そこが沖縄基地全体が使えなくなる危険性を認識しているとは驚きです。日本政府はそこまで考えていないでしょう。韓国と台湾の防衛、中東への足がかりとして沖縄は米軍にとって重要です。その観点から、沖縄にある米軍基地すべてを重要視しています。

 日本にとっても、台湾と韓国で有事がないことは、中国からの圧力を低く保ち、2カ国への侵攻時に在日米軍基地が攻撃されることで日本に付帯被害が生じるために重要なはずだけ。しかし、なぜか日本政府は極東で有事はないことを前提にしています。脅威は政治目的を果たす時に方便として使うものというのが日本政府の常識です。戦略的な発想なしに、日本政府はアメリカとの約束を果たすことだけで頭がいっぱい。そこに利権もからんでいます。戦争遂行のためのアメリカの発想と、あくまで平時の感覚の日本とでは意識が違うということです。

 


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