オバマ大統領がシリアに特殊部隊派遣を承認

2015.10.31

 alarabiya.netよれば、バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)ははじめて、シリアに特殊部隊を派遣することを承認しました。

 広報官、ジョシュ・アーネット(Josh Earnest)は、オバマ大統領が50人未満の特殊部隊をイスラム国と戦う反政府軍を強化するために派遣することを承諾しました。アメリカ人が丘に突撃するのを導くことはないと言い、ミッション・クリープ(mission creep・目的のない任務拡大)の証拠ではないことを示唆し、ホワイトハウスはこの変化をシリアに戦闘部隊を配置しないという誓約の逆転だということを否定しました。「シリアでの我々の戦略は変わっていません」とアーネストは言いました。

 当局者は、任務は隊員が地元の地上軍と調整をし、武器と航空支援を提供するイラクでの一部のアメリカの作戦と同じだと言いました。しかし、イラクですら戦闘員と非戦闘員の間の戦はかすんでいました。米軍はイラク北部での人質解放作戦に参加し、2011年のイラクでの米軍兵士死亡以降最初の死者を出しました。

 1年以上、65ヶ国の同盟国を率いたアメリカは、イラクとシリアで13,000回以上の空爆を行いました。しかし、シリアでは過激派と戦う努力は2011年3月以来240,000人以上を殺し、第2次世界大戦以降最大の深刻な難民危機を引き起こした内戦の複雑さにより苦しみました。もう一つの中東戦争に陥るのをオバマが渋る中、アメリカが支援するクルド人、シーア派、スンニ派アラブ人が混在する反政府派はイスラム国と戦うのを嫌いました。一方で、彼らはアサド軍、イスラム国、ヒズボラ、アルカイダ傘下のグループ、最近ではロシアの空爆からの攻撃を受けるようになりました。オバマ大統領は最近、シリアの反政府派戦闘員を訓練するための6億ドルを撤廃しました。ホワイトハウスは金曜日、トルコ南部のインシルリク基地(Incirlik)へ A-10地上攻撃機とF-15戦闘機の派遣を発表し、増加させた努力の一環としてレバノンとヨルダンへの支援を増やしました。

 専門家はアメリカの発表がシリアのラッカ(Raqa)とイラクのラマディ(Ramadi)を拠点とするイスラム国を攻撃する徴候を示すと言いました。「これがラッカを落とすのに十分かは明らかではありません」と大西洋会議のファイシャル・イタニ(Faysal Itani)は言いました。「しかし、それは強化された力とみなされて地元の新兵を惹きつけることができ、恐らく、クルド人とアラブ人の軍との信頼を構築できるでしょう」。


 記事は一部を紹介しました。

 考え方としては、イラクでの任務と同等のことをやらせるための派遣です。特殊部隊50人では戦闘などほとんどできません。空爆を正確に行うための支援が中心となるはずです。以前に、地上軍を派遣する場合は、最終段階だとの見解が当局者から出ていますが、それとはまったく別の話です。ただし、それが別の展開を生む可能性までは否定できないというところです。先日の空爆の回数が減っていることから、上空からの偵察だけで攻撃目標を決められにくくなっているため、現場に特殊部隊を入れることで効率を上げたいのだと考えられます。ロシア軍の介入も一部影響しているのかもしれませんが、その度合いはより低いと思えます。単純なライバル意識で戦争をやることほど危険なことはありません。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.