ロシアが病院誤爆を「作り事」と否定

2015.10.23

 alarabiya.netによれば、ロシア政府は木曜日、シリアでロシアが病院を攻撃したとの報道を「作り事」だとして否定し、記事の背後にいるイギリスに拠点を置く監視団体を「ピザ屋」以上に信頼できないと非難しました。

 外務相広報官、マリア・ザカロヴァ(Maria Zakharova)は「私はこの情報すべてを否定して欲しい」と言いました。人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は水曜日、医療スタッフを含めた13人が火曜日にイドリブ州(Idlib)で「the Syrian-American Medical Society」が運営する野外病院に対するロシアの空爆で死亡したと言いました。

 ザカロヴァは広く報道された記事を否定し、この人権団体は信頼性が足りないと言いました。「こうした作り事がしばしばこの団体が引用されています」「これは現場ではないロンドンからシリアで何が起きているかをを報じるには非常に便利です」。団体の理事、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)に対する攻撃で、彼女はこのグループが、彼女がジャーナリズムの学位も中等教育も受けていないファーストフード店の所有者だとするイギリス人によって設立されたと言いました。「ピザ屋ではウェイターを呼ぶ方がよいでしょう」と彼女は言い、ロシアがこうした作り事を精査し続けると付け加えました。

 一方、国際赤十字委員会は、ロシアのシリアでの空爆が民間人へ必須の支援物を届けることを困難にしていると言いました。「空爆はいくつかの地域へ到達することで我々を困難にしています」と赤十字の中東・北アフリカ活動の長、ロバート・マーディニ(Robert Mardini)は言いました。「紛争でさらに武器を用いることは人道的状況においてさらに困難を生み出します」と彼は水曜日にダマスカスでのインタビューで言いました。今週初め、赤十字委員会は9月末に結ばれた停戦の一環として、シリアの西部と北部で食糧と医薬品をトラックで配送しました。半年の停戦は政府が支配するフアー(Fuaa)とカフラヤ(Kafraya)とレバノン国境沿いの反政府派支配地域のザバダニ(Zabadani)とマダヤ(Madaya)から負傷した民間人を避難させることを含みました。


 記事は一部を紹介しました。

 昨夜書いた通りの展開です。権力側が口汚く相手を罵ることほど醜いものはありませんが、ロシアはそれを躊躇いません。今回は笑えないギャグまで披露してくれました。作り事だというのなら、映像を出せばよいのですが、進行中の軍事作戦についてはいえないと拒否するのでしょう。成功を強調したいときは出してくる映像も、都合が悪くなると拒否するものです。

 ロシアが旧態依然とした戦時体制をいまでも継続していることは、もはや疑いの余地がありません。そういう目でロシアを見る必要があります。

 支援団体に対する無理解は日本にもあります。ロシアの行動を見て、自分たちの行動も考え直す必要があります。

 


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