イラクで人質救出作戦中に米特殊部隊員らが戦死

2015.10.23

 military.comによれば、木曜日にイラク北部でイスラム国の人質約70人を解放する米特殊部隊員とクルド人遊撃隊米軍隊員がヘリコプターによる急襲の最中に死亡しました。

 米兵の死亡はイスラム国に対する作戦の中で米軍が受けた最初の戦死でした。声明の中で、国防総省広報官、ピーター・クック(Peter Cook)は米特殊部隊員はキルクーク(Kirkuk)の南約30マイルにあるハウィジャ(Hawija)の東の村での襲撃を率いたクルド人のペシュ・メルガ戦闘員を支援していたと言いました。特殊作戦チームの隊員1人は襲撃の中で負傷し、後に治療を受けている間に死亡しました。ペシュ・メルガ戦闘員4人も負傷し、人質を警護していたイスラム国の人数不明のメンバーも殺されたと、クック氏は言いました。「この作戦は人質が大量処刑に直面しているとの情報を受けた後、慎重に立案され実行されました」「それはイラク軍を訓練し、助言し、支援するための対イスラム国活動に合わせて承認されました」。

 声明によると、米軍ヘリコプターは襲撃隊を現場へ運び、特殊作戦部隊はイスラム国の施設でペシュ・メルガと一緒でした。「イラク軍隊員20人以上を含む人質約70人が救出されました」。イスラム国のテロリスト5人がイラク人によって拘留され、同様に何人かが殺されました。さらに、米軍はイスラム国に関する重要な情報を回収しました。


 記事は一部を紹介しました。

 人質救出作戦の危険さを示す出来事です。今回は人質を無事に救出できましたが、そうならない場合もあります。最近、日本ではこうした救出作戦が簡単に行えるかのような意見を耳にすることがありますが、現場の支援団体の中には、職員が武装勢力に誘拐された時、軍や警察を介入させず、地元部族経由で解放交渉を行うところもあります。その方が救出できる可能性が高いと彼らは考えています。そこは米軍も考えているはずです。今回の作戦は処刑が迫っているとの観測から決断されたのであり、その前には地元部族による交渉が行われていたはずです。

 


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